最終章
赤間谷近辺に爆薬が仕掛けられ、雪が谷を埋め尽くした。
死傷者は数十名と予測された、雪崩事件を調査に来た中忍鋼槻は、現状に不振を抱いていた。
部下に命じて、雪を掘り起こして居るにも関わらず、出てくるモノは谷に住んでいたであろう人々の、生活用品だけであった。
死体は愚か、血痕すら見あたらない。
谷は恐ろしい程、真っ白な雪で覆われていた。
鋼槻は白い息を吐き出して首を傾げるばかりだった。
(鴉主にはもう伝えてある。明日には九十九殿にも届くやろ。それまでワイらがしとくのは)
と、作業をしている部下を呼び、人間の痕跡を探せと命じた。
鍬を持ち雪を掘り分け、埋まっているものを堀だし並べていると、部下の一人が声を上げて走って来た。
部下の手に持たれたひとふりの刀とその柄に巻き付いた、鈴に、鋼槻も目を見開く。
「白夜様の椿が何故此処に」
「いえ、こいつは牡丹でやんすよ、お頭」「牡丹だって。ではこの鈴は、白羽殿のものか」
刀の柄に刻まれた文字を確認し、苦笑いを浮かべる。
「どうしやしょう、白夜様にもお話すべきでやしょうか」
「いや、ワイが預かる。おまえは保護監察忍の奴らと連絡をとってもらいたい」
「了解しやした。お頭はこの後、どうするんでやんすか」
「皆を引き連れて、荒野へと向かう。今昔森は猫ヶの人々に任せるしかないからな」
「荒野、やはり、薬屋はデマでやんしたか」
「雁に一杯食わされた。針と呼ばれる少女は折見て助けてやって欲しい」
「あっしでよけりやあ、踏ん張りやすよ。子供に罪はないでやんすからね」
「そうやな。そいから、五月はんには無茶な選択はせんよう言ってくれ、後、真田には怪我が治るまで大人しゆうしてろとな」
「へい、そこらへんは、任しといてくださいやせ。保護監察忍だけの判断で、妙な行動はとらせやせんので」
「兎に角、そこは頼むぞ。伊助」
念を押すように鋼槻は、伊助に言う。
今年三十を迎える伊助は誇らしげに頷くと、赤間谷を後にした。
鋼槻の手に残ったその一振りが、後々厄介な事件に絡んでくることを、誰も知らない。
ちらちらとと花びらを空に舞わせ、粉雪が世界に落ちていく。
完
此処まで、もし読んで下さいました、既得な読者様が居ましたら。
本当にお疲れ様です。
此処から下は、言い訳なので、時間があればお読み下さい。
作品雪華は、約半年止まって降りました。理由は、別の世界創設に力を入れていた為と、言っておきます。
また、間違い、駄文つじつまが合わない。わかってるなら直せと言われても、特に作者は問題ありません。
意味不明文章書くなよと言いたいのは山々でしょうが、こんな書き方しかできませんので、ご容赦願います。