表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雪華  作者: 荒木功
1/5

序章

序章白清山と呼ばれる山に、寺院がある。

長い長い階段を上り詰めた場所にあるその寺院の名を『柊寺』(ヒイラギデラ)と、麓の人々は呼んでいた。


柊寺には、和尚と子供が住んでいた。

和尚の名を雲黙、子供の名を針と言う。

針は、馬借の頭の娘であるが、大陸を渡り歩くその稼業に着いていくことはできなかった。


針は、馬の扱いに慣れだしたのは、月影の乱の中盤だったかもしれない。

和尚が寝込んだ次期があり、町まで薬を買いに馬を走らせたのが始まりだった。


白清山の麓には、医者がいない。

馬で走って、何丁か先にある『幹薬』という薬屋まで行くのが、村の日常だった、が、置き薬を持ってくる筈の商人は、冬の雪に阻まれてやってくる気配がなく『幹薬』の薬の在庫は底尽きそうだった。


西の国に位置するコノ場所は、大陸でも有名な砦の1つでもある。

白清山麓の村まで来るためには、山越えをしなければならない。


道筋としては、円石の城下を抜け山道を歩き遠野の城下へと抜け、やっと白清山が見えてくるといった所だろうか。

真冬に、危険を犯して山越えする輩は、余程のアホか任務を仰せつかった忍者くらいなものであろう。


月影の乱が始まって、何度目かの冬。

西白清山にも戦色が広まり、人々は毎日を怯えて過ごしていた頃。


白清山『柊寺』から、針は薬を輸送をするために、円石城下へと向かう途中だった。

針の年はその時確か12歳だったような気がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ