表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
連載版:10個の約束  作者: カラー
第1章:ひとつ目の約束

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/11

シズカの提案

 うーん…。


 久しぶりに会った時よりヤヨイは幼く見える。


 ラブホで再会(前夜はぐでんぐでんに酔ってたからノーカン)した時の言葉遣いなんかはシズカを彷彿とさせたほどだ。


 なのに、今日は最初からまるで子供みたいな…と言うか新婚二日目だったよな。まるで実態が見えてこない。




「ヤヨイ。話せないわけじゃないだろ」


「ええ、まあ」


 あら、とシズカが意外そうな顔をする。




「判断が幼いとかそういう訳ではなさそうね」


 さっきまでの子供っぽさから一転。




 服とか化粧みたいなものとヤヨイは話した。


 都会で戦うために作り上げた人格みたいなもの、と例えて。


 あー、前に言っていたことと一致するのか。




 なんでシズカの前では幼く、そして今大人の仮面を?


「だってシズカさん本物の大人の人みたいなんだもの」




 ぎりぎり幼さの残る表現でヤヨイはこちらを見据える。


 何に対してか分からないようだが、戦う意志を示したとも言える。




 理不尽なことをお願いしたのはこちらの都合なのだから、タケルくんには申し訳ないことをしたと思う。


 だけどシズカさん、あなたは…。




 と、どうやらシズカに対してのファイティングポーズのようだった。




「へえ」


 シズカは悪役みたいにニヤリと笑うと


「一応ね。入学してすぐに知り合って今度の卒業まで待つから、わたしはこの人に4年捧げることになるのよ」


 あなたにその重みが分かるのかしら、と続けた。




「それは…」


 あたしだって6年近く片思いしていたのだから、並ぶものではないけど比べられるのは心外であると反論した。




「あら、彼が最近までいたのに?」


「あなただって別れたのでしょう?」




 うーん、埒が明かないな。


 よし、ここは名奉行志水が裁いて…。




「部外者は黙ってて」


「今大事なところなの」




 …おかしいな。




 ・・・


「このままじゃ平行線ね」


「確かに」


「あなた、家は?もちろん東京の」


 ヤヨイはシズカに住所を告げた。




 少し考え、シズカは意外な提案を始めた。


「大学まで一時間、通える?」


「必要な単位は揃えたから、あとは卒業制作だけ」


 美術系だけにそれが大変なのだろうけど。


 だから毎日だと交通費が負担になるが、たまに通うならそうはならないはずだ、とヤヨイは続けた。




「で、二人にしたら家賃はやっぱり負担が大きいわよね?」


 予想でしかないが、東京の賃貸だからな。


 ヤヨイと俺はシズカに頷く。




「あたしのうちの離れに住むのはどう?」


 どうせ空いてるし、大学まで一時間よと言う。


「それとね。働くならうちで」




 えーと…確か和菓子屋だった覚えがある。


 え、和菓子?


「人手が足りないのよ。わたしにまで卒業したら働かないかって誘うくらいだし」


 不器用だったよな、シズカ。




「へー、不器用なんだ」


 ニヤニヤとするヤヨイ。まあ、美術系大学行くくらいだし、手先は器用なのかも。




「家賃はいらないわ。わたしが交渉する」


 なんか…いい条件のような気もするけど。


 ヤヨイ、おまえはどうなんだ?


「旦那…盗らないよね?」


 おかしな心配すんな。




「盗るも盗らないもわたしのものだもの」


「それはあたしの台詞…」


 話が前に進まないから一旦棚上げにしないか?




「「呑気ね」だね」


 気が合いそうだな、二人。


 俺に対してだけは。


 グレるぞ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ