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お題:ローカル線に乗って日帰り旅

エピソード1より続く。

しみじみとした情景の文章だなぁ

# ローカル線に乗って日帰り旅


朝早く目を覚ました。時計は六時を指している。今日は平日だが有給休暇を取った。


目的はただ一つ、少し遠出して普段乗らないローカル線の旅を楽しむことだ。


準備は最小限に済ませた。リュックには水筒、カメラ、地図……そして軽食。

服装は歩きやすいスニーカーにジーンズ、肌寒い朝夕に備えて薄手のジャケットも羽織った。


最寄り駅から快速で一時間、乗り換え駅に到着。ここからが本当の旅の始まりだ。


ホームに立つと、二両編成の小さな列車が待っていた。車体は少し古びているが、それがまた味わい深い。


「えー、黄色い線の内側にお下がり下さい!まもなく、各駅停車の終点行きが参ります」というアナウンスを聞きながら、列車に乗り込んだ。


窓際の席に座ると、車内はほぼ空いている。地元の高校生が数人と、お年寄りの夫婦がいるだけだ。


列車はゆっくりと走り出した。

都会の喧騒が徐々に遠ざかり、車窓の風景が緑豊かに変わっていく。田んぼや小さな集落が次々と現れては消えていく。

単調なレールの音が、心地よい。


三駅目で降り、駅前の観光案内所でおすすめの散策コースを教えてもらった。

「この時期は山の桜が見頃ですよ」と地元の方に教えられ、山道を登ることにした。


登山道は整備されており、適度な傾斜が心地良い運動になる。途中、展望台があり、そこからは町全体を見渡せた。列車が山間を縫うように走る姿も小さく見える。そんな風景をカメラに収めた。


お昼は山頂近くの休憩所で持参したおにぎりを食べた。冷たい湧き水で喉を潤し、しばし都会では味わえない静寂を楽しんだ。


下山後は町の温泉施設に立ち寄った。地元の人々に混じって湯に浸かると、朝からの疲れが溶けていく。湯上りには、駅前の小さな甘味処で名物の草もちを味わった。


帰りの列車は夕暮れ時だった。

車窓から見える、夕日に染まる田園風景がとても美しい。一日の思い出を反芻しながら、揺られること約二時間。


終点に着くと、もう外は暗くなっていた。乗り換えて最寄り駅に戻る頃には、スマホの歩数計は二万歩を超えていた。疲れたが、とても充実した一日だった。


○○というサイトで読んだ小説の一節が思い出された。「旅の醍醐味は目的地ではなく、その過程にある」。

今日の旅はまさにそれを体現していた。

都会の喧騒から離れ、ゆっくりと流れる時間の中で、普段見過ごしている風景や出会いの素晴らしさを、再発見できた気がする。


ローカル線の旅は、急がず、欲張らず、その土地の空気を全身で感じることができる贅沢な時間だ。

次は、どの路線に乗ろうか、早くも次の休日が待ち遠しい。

※フィクションですw

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