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ミッション;ハル先輩&健太

ミッション05;カレンダーをめくるような雑事にも感謝せよ

作者: 黒坂 志貴

なろうラジオ大賞6に参加させてもらってます。

珍しく恋愛ジャンルと銘打ち、なんとなくシリーズ化して5作目。

楽しんでいただけると嬉しいです。

「健太、そっち資料の準備終わったら、倉庫行ってサンプル確認して来てくれ」


「はい!サンプルは大和田社が3種と滝井商会が長い方2種ですね」


「おう、あと担当いたらでいいけど、部品の予備あるか確認してくれたら助かる!」


「了解です」


俺は事務所の裏口から出ると、植え込みの先にある建物へ向かう。年代物の二階建てで、工場の一部が倉庫になっている。

1種類だけ見当たらず、工場の担当者をあたる。数人に聞き込みをして探し出し、途中で予備部品の確認をすると、サンプル品を抱えて事務所に戻った。


最近ずっと、赤城さんに使われっぱなしだ。一番、案件を抱えているのでサポートは当然なんだけど、なんというかまぁ、ハル先輩不足。

俺もこの春から3年目、一人で担当する仕事も増えたし、チーム内のサポートも戦力として認められつつあるのは嬉しい。

指導係とはいえ1年しか違わないハル先輩が、ずっと付きっきりな訳も無く。


新年度を前に席替えしたから、ランチも隣じゃ無くなったんだよな。うう、ナナメ向かいだと顔もあんまり見えない・・・。


昼からも自分の担当プラス昨日提出したファイルの修正、納品された事務用品の仕分けに納入部品のチェックを頼まれ、気付けば夕方。


「健太、悪い。主任とすぐ出ないといけなくなったから、3会議室にある資料を片付けておいてくれないか?」


「了解でーす、気を付けて」


「サンキュ、今度なんか奢る!」


上着をひっつかんで出ていく赤城さんを見送り、ため息交じりに会議室へ向かう。

ああ、今日もハル先輩と話せなかった。今月は母さん遅番多いから、俺が買い出しと夕食当番のメインだし、晩メシ誘うのも難しいか。車とチャリじゃ一緒に帰る事も無いし、用事もないのにlineも緊張するし、狭い家で電話も気が散るし・・・って、なさけねー。


会議室で一人、こりゃ何度か資料室往復だなと乱雑に積まれた資料を仕分けていると、


「あれ、健太?」


主任に片付けを頼まれたとハル先輩が入ってきて、自分の鼓動に驚く。不意打ちに体温まで上昇しそうだ。


「ここ仕分けてくれたんだ、じゃあ私、あっちからやるね」


「ホント、赤城さん人使い荒いですよ」


ニヤけそうな顔を文句で誤魔化し、続く雑談が楽しくて作業終了が惜しい。



「健太、カレンダーめくっとこうよ。取って」


「え?ああ、そうですね」


ゆっくりとめくって戻す。


「他の会議室もチェックしとこっか」



明日から4月、俺も先輩だ。

最後まで読んで下さって、ありがとうございました。


長らく書いて無かったので、1000字なら1作くらいとチャレンジした「観覧車」

感想や評価をいただけて嬉しかったので、調子に乗ってお題全部で書いてみようとシリーズ化中。

子どもがいると集中出来ないので、冬休みまでに書き上げられたらいいな・・・。

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