最終話『それぞれの』
ホームズは元の世界線を発見出来たらしく、ラムちゃんと共に蒸気機関と化学が発展した世界へと帰って行った。他に、穂村少年は相変わらず龍侍さんと修行を続けている。Rと魔王の消息は分からず、きっとどこかこの世界でひっそりと生きている事じゃろう。
そして、茜音さんは最龍侍学園に残り、教員の活動を続けると言う。私とナゾ子はと言うと。
「よーーー!! 元気か! って、それも悪いか」
「構わぬ。それより、昨日メッセージで送ってきた『新たな行き先』ってなんじゃ?」
「それの件なんだけど、ここから同じ国の遠く南に位置する『大都市』って巨大な地域があるだろ? 第1から7区域まであるアレ」
「耳にはした事がある」
大きな都市でありながら、超能力者や魔法使いが多く生息していると言われる不思議な都市で、興味は以前からあった。
つまるところ、私と共に大都市で行こうという誘いか。
「無理にとは言わないんだが、そこに友達が住んでるんだ。でもお前、ここに住んでるんだろ? たまには遊びに来てな」
「……そうじゃな。約束じゃ」
「だな! おっと、もう飛行機の時間が迫ってるからわたしは行く」
「分かった。お主のフルアクセル・リングが無かったら、今頃事件は解決までいかなかった。感謝する」
「きっと、リングがお前を選んだんだよ。そう思ってる……じゃあな!」
固い握手を交わして、ナゾ子は珍しく箒に跨って魔女らしく、空港へと向かった。
これは、日の狐様を探す物語の始まりであった。




