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夢幻泡影(むげんほうよう)  作者: 赤坂純美麗
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第8話 出会い

【夢の異世界編】

冬夜「これは、悲鳴か!?」


急いで声の聞こえる方へ向かうと、そこにはゴブリンに囲まれた少女の姿があった。ゴブリンは全部で4匹いる。

だが、囲まれているため逃げられないでいた。冬夜はすかさず銃でゴブリンを狙撃し、一匹ずつ倒していく。

最後の一匹を仕留めると女の子が駆け寄ってきた。どうやら助かったようだ。

木陰からその様子をみている影が見えるが、冬夜は気づいていない。


その影は・・・雪籐だった。

雪籐「ちっ・・・やつは聖女か?・・・しばらくは冬夜には近づけぬ・・・か・・・」


その様子も知らず冬夜は彼女に歩み寄る。

冬夜「大丈夫か!?」


冬夜はすぐさま彼女に話しかけた。メアリ「え、あ、はい。ありがとうございます。」彼女はお礼を言ってくるが、その表情はかなり暗い。


それもそのはずだ。ゴブリンに囲まれて怯えているんだから無理もない。


冬夜「怪我はないかい?立てるかな」

メアリ「はい、なんとか立てます」


そう言って立ち上がる彼女だったが、ふらついてしまっているので支えることにした。

すると突然、彼女の姿が光り輝いて見えなくなった。何事かと思って見ていると光は徐々に収まっていった。

姿の変わった彼女の髪は長く腰くらいまであり、肌は白く綺麗で瞳は吸い込まれそうなほど黒く澄んでいる。

手足は細く華奢な体つきをしており、まるで人形のようだ。

服は白を基調としており、ところどころに青いラインが入っている。

スカート部分は膝下まで伸びていて、全体的に清楚な印象を受ける。そして背中には大きなリボンが付いている。

胸の辺りには小さな宝石のようなものが付いておりとても可愛らしく見える。


冬夜「君は・・・」

メアリ「怖かった・・・!」、そう言うといきなり抱きついてくる。

冬夜「ちょっ!?」、慌てて引き剥がそうとするのだが、力が強すぎて離れない。仕方なくそのままの状態で質問をする。

冬夜「まずは確認したいんだけど名前はなんて言うの?」


メアリ「私の名前はメアリ・ストラトスといいます」

冬夜「じゃあ、まずは一旦離れてくれないか?」

メアリ「はい、わかりました」、そう言うとあっさり離れた。意外と聞き分けが良いようだ。

冬夜「俺の名は冬夜、よろしくね」

メアリ「はい、こちらこそよろしくお願いします。ご主人様♪」


どうやらまだ混乱しているようだ、とりあえず落ち着かせて話を聞こう。


冬夜「もう少し探索に行くんだけど、一緒に行く?」

メアリ「はいっ」


冬夜は一度その場を離れ、森の中にある洞窟へとやってきた。


冬夜「メアリ、悪いけどそこでちょっと待っててくれる?」

メアリ「わかりました」


洞窟内にいたゴブリンを一掃する、もう中には何もいないようなので、もう安全だろう。

松明に火をつけ、ゆっくりと洞窟内を見回し戦利品を回収した、そして冬夜はステータスが気になったので開いてみた。


冬夜「やっぱり、この世界の影響を受けているのか」、いつの間にかレベルがあがり、ステータスにはサブ職業が追加されていたのだ、そこには『召喚されし者』と表示されている。


つまり、ここは夢の中でありながら、ゲームのような世界ということだ。なぜこんなことになってしまったのだろうか。

冬夜が元居た世界ではこんなことは起きなかったはずだ。仮に起こっていたとしても冬夜が気づかなかっただけかもしれないけど・・・。とにかく今は目の前の問題を考えよう。


ステータスを見るとレベルは2だ。これではあまりにも心許無い、せめてもう少しレベルが上がってくれれば良いのだけど。

どうすれば上がるのだろうか・・・、ステータス封印って書いてからその影響もあるのかな?、結構戦ったのだからもっと上がっているはずなのに、レベルがあがりにくすぎる。

考え事をしていたらいつの間にか時間が経っていて、そろそろ戻らないとまずそうだ。冬夜は急いで戻ることにした。


メアリ「おかえりなさいませ、ご主人様」


笑顔で微笑むメアリを見て一瞬ドキッとしてしまう。やはり、可愛い子だなぁと改めて思った。


冬夜「少しは落ち着いたかな?」

メアリ「はい、落ち着きましたよ。それで、これからどうするんですか?」

冬夜「うーん、とりあえず街に行こうと思う」

メアリ「かしこまりました。それなら私が案内させていただきます」

冬夜「助かるよ」


こうして冬夜たちは森を抜けることにした。歩きながら色々と話を聞いてみたが、彼女は元々この街に住んでいたようだ。

ただ、親が魔物に殺されてしまい、一人ぼっちになり、森で食べ物や薪をとったいたところをゴブリンに襲われてしまったらしい。ちなみに、歳は14歳で見た目通りかなり若いようだ。


冬夜「・・・・・・」


しばらく歩くと森を抜けて草原に出た。そして、そこには見覚えのある光景が広がっていた。


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