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5話 謎の少年の妹 

前回のあらすじ

謎の少年、流生の家はリサ達の家の隣だった!?

 リサ達は流生の家に行くことになったが…


あの後結局、私は魔法を勝手に人に見せたことをユーノーに叱られた。

 勝手に公園に飛び出したことは不問にしてもらったが、流石にこっちは駄目だったようだ。


 はぁ…やっぱり流生先輩に見せなきゃ良かったなぁ、魔法。


後悔先に立たず。後の祭り。覆水盆に返らず。そんなことわざが私の頭を駆け巡る。


 私はやっぱり後先考えず行動しすぎだな。よく気をつけよう。


「さて、そろそろ先輩の家に行こっか!」


私はそういうと階段を降りて、ユーノーの様子を見に行く。


 しかし、リビングに行ってもユーノーの姿がどこにも見当たらない。一体どこに行ってしまったのだろう。 


 そうしてリビングをよく見渡していると、ソファでユーノーが倒れているのを見つけた。


 「ユーノー!?何があったの?」


「あ、リ…サお嬢様…。そ…れが、分からない…んです。」


「って血出てるじゃん!動かないで、今再生させるから」


 ユーノーの肩から血がかなり出ている。早く止血しなければ。


「ありがとうございます、リサお嬢様」


 私は、ユーノーに「ロー・オブ・ネイチャー」を使用すると、ユーノーは体をゆっくり起こした。


 ユーノーは一息着くと、さっき何があったか説明してくれた。


「彼の記憶からダメ元で魔法のことを消そうとしたら、急に肩に衝撃が来まして。で、その一分位後にリサお嬢様が来た感じです」


「そうだったんだ…。気づいてなくてごめん」


「いえいえ。大丈夫ですよ。それより早く彼の家に行きましょう」


「え?いやいや無茶しちゃ駄目だよ!それにその傷流生先輩の仕業じゃないの?」


 一体何故この男は自ら死にに行くような真似をするのか。私には到底理解できない。


「いや、多分違います。彼の心の声を聞いても、敵意は感じられませんでした。恐らく別人かと」


「どの道行くの止めときなよ!多分関係者でしょ傷負わせた人。私だけ行って来るからユーノーは待っててよ」


「いえ、それだとなおさら私が行くことになります。リサお嬢様を危険な場所に一人で行かせるわけにはいきませんから」


 こういう時のユーノーは頑固だ。仕事のことになるとすぐこうだ。


 ほんっと堅物。少しくらいプライベートを優先したらいいのに。


「あーもう分かったよ!一緒に行けばいいんでしょ一緒に行けば!ただ具合悪くなったらすぐ言ってよね。身体は魔法で治したとはいえ体力は戻ってないから」


「ええ、分かりました」


 そう言うと彼は勢い良くソファから立ち上がろうとした。

 しかしバランスを崩してソファに倒れこんでしまった。

 

 本当に分かってるんだろうか…。


私はそう心配しながらユーノーの支度を手伝った。


  そうして私達は流生先輩の家まで来ると、あの忌々しい悪魔の(インターホン)を押した。


 しばらくすると流生先輩が出てきた。どうやらまた猫と遊んでいたみたいだ。猫の毛が大量に服についている。


「おー、理沙さんに能有さんいらっしゃい。昼ごはん食べた?食べてないなら今から作るところだから一緒に食べない?」


 ユーノーの言う通り、彼はどうやら犯人ではないようだ。特に何か隠す様子もなく家に上げてくれた。


「うん、まだ食べてないよ。ところでお家の人は?」


「親は新宿に行ってるよ。僕はああいう都会苦手だから行かなかったけど。だから今は妹と僕、後はクロだけだね」


 彼は黒猫を指差しながらそう言った。

どうやらこの猫はクロと言うらしい。


「妹いるんだ。今何歳なの?」


「君と同い年だよ。中学校も一緒だろうし仲良くしてね」


 流生先輩がドアを開けると、そこには可愛らしい少女がいた。


 やっぱり流生先輩に似ていて顔はいい。ただ、どこか幸薄そうな顔をしている。


「ほら、幽香。さっき言ってたお隣さんの須藤理沙さんと、須藤能有さんだよ。自己紹介しないと」


「えっと…私、牧田幽香と言います。趣味はピアノを弾くことです。よろしくお願いします」


「うん、よろしく!」


「よろしく頼む」


 …また口調変えてる。すっごい違和感。


「えと、理沙ちゃん」

 

「ん、なに?」


「なんで目の色灰色なの?」


「え、分かんない。遺伝かな」


「あ、そうなんだ…」


 …気まずい。めっちゃ気まずい。目が灰色なのは変装魔法の欠点なだけなんだけど…。言うわけにはいかないしな…


 どうしよこの間…。


「と、とりあえず昼ごはんできるまでトランプでもやってなよ」

 

恐らくこの静寂に耐えられなかったのだろう。流生先輩はそういうと、台所に逃げてしまった。

 更にユーノーも、さっきの疲れからか椅子に座った瞬間寝てしまった。

 

 だからついてくるなと言ったのに…


「えっと、その、理沙ちゃん」


「なに?」


「スピードやろ」


「いいよ」


 スピードならマオー王国にいた頃にユーノーとかとやったことがある。


 そういえばなんでトランプもどっちの世界にもあるんだろ…。ま、いっか。


そんなこんなで適当に幽香とトランプで遊んでいたら、何か良い匂いがしてきた。


「おーい3人とも。ご飯できたぞ」


どうやら彼が料理を持ってきたようだ。

中身は恐らくチャーハンだろう。チャーハン特有の匂いが漂ってきている。


「あれ、能有さん寝ちゃってる。おーい」


「ハッ!しまった。寝てたのか」 


今一瞬フラグが見えていた気がするが気のせいだったようだ。まったく、ヒヤヒヤさせないでほしい。


「ま、とりあえず食べようか」


私がそう言うと、皆で頂きますとい言って、チャーハンを食べ始めた。


 いざ食べてみると、思った以上にチャーハンは美味しかった。

 今度自分でも作ってみようかな。


「ふぅ。疲れたね」

 

流生先輩はそんな事を言いながらチャーハンをおかわりしまくっている。


 反対に幽香ちゃんは食べるのがかなり遅い。


 あまりにも遅いので最終的に流生先輩に食べてもらっていた。

 

 ユーノーは…さっさと食べて一人暇そうにしている。


なんか…こういうのを見ていると、家族が恋しくなってくるな…。今度手紙だすか。


そんなことを考えていたら、ユーノーがとんでもないことを言いだした。


「さて、そろそろ帰るか」


「いや早くないすか能有さん。もうちょいいません?」


「いや、すまん。ちょっと具合悪くてな」


「あ、なら仕方ないっすね。今日はここでお開きとしますか」


 彼がそういうと、ユーノーはさっさと彼らに礼と別れの挨拶をし、私のことをひっぱって家に帰ってしまった。


 もう少し居たかったのに…。


「すみません、リサお嬢様。少し嫌な予感がしまして」


「え、嫌な予感?」


「ええ。あのままあの家に居たらまずいことが起きそうでしたので」


「ふーん。ま、いいや」





…私はその後、痛感することになる。あのユーノーの言葉を、もっとよく聞くべきだったと。



 



すいません後浅草行かせたら中学校行かせます…。

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