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4話 謎の少年の正体 その2

前回のあらすじ

謎の少年の正体は、牧田流生という動物と意思疎通や契約ができる魔法使いだった!

 彼はどうやらユーノー(能有)と関係があるみたいだが…


どうしようこれ…確かにユーノーと私は一応兄妹って設定だけど…


 …まあ嘘をつく理由もないし普通に答えよ。


「うん、そうだよ。何でそんなこと聞くの?」


「実はね、須藤能有さんと僕は家が隣なんだよ。そこでこの間能有さんが妹が来るって話してたから。まさか本当に当たるとは思ってなかったけどね」


「え?」私は空いた口が塞がらなかった。まさか隣の家だったの!?


 でもいくらなんでも偶然がすぎるんじゃ…。私の家からこの公園はおそらくかなり離れていると思うけど…


 そんな私の考えを読んだのか、彼は困った顔をしている。


「いや、そんな怪訝そうな顔されても困るよ。普通に偶然会っただけだから。ほら、事実は小説より奇なりってよく言うじゃん」


 どうやら顔に出ちゃってたみたい。


「あ、ごめん。でもなんでこの公園に来たの?ここ流生先輩の家の近くじゃないと思うけど」


「ここが一番隠れて動物と遊べるからね。後は気分の問題。それより何故理沙さんはここに?」


 また回答に困る質問が…。


これも…恥ずかしいけど上手い誤魔化し思いつかないし、素直に話そ。


「私は…その…実は…迷っちゃって」


「あ、そうなんだ。ま、この町初めて来たなら仕方ないよ。ところで能有さんはどうしたの?」


「…兄は多分今私を探してると思う。私が勝手に家を飛び出してしちゃったから」


「あー、もしかして家出かましちゃった感じ?」


「いや、別に家出ではないんだけど…その辺は説明は説明すると長くなるからまた後で…」


「うん、特に興味もないから話さなくてもいいよ。まあ、とりあえず一緒に家に帰ろうか」


「うん、分かった」


 その時だった。ユーノーが公園の入口から入ってきたのは。


「リサお…理沙、そんなところにいたのか。心配してたぞ」


ユーノーはそう言いながら私の方に向かってきた。流生が隣にいることに気づいたのか、一瞬で兄モードに入っている。何か不気味だな…。


「ところで、流生君が何故理沙と一緒にいるんだ?」


「動物と遊んでました。そしたら理沙さんが急に絡んできまして」


「…もっとマシな言い方してくれないかな」


「いやでも割と事実じゃん」


「確かにそうだけど…声をかけてきたとかあるじゃん!」


 と、そこでユーノーが咳払いをした。


「その違いはどうでもいいから話戻すぞ。理沙が絡んできた後今まで世話してくれたのか?流生君」


「まあ、そんな感じっすね。一緒に動物と戯れてました」


 私的にはどうでも良くないんだけど…。


 それにしてもよかった。どうやら魔法のことは黙ってくれてるみたい。そんなことを考えていると一瞬ユーノーが眉をひそめている。まずい。どうやら思考盗聴されてたみたい。詰んだ。


 ユーノーがテレパシーで話しかけてくる。

 

(リ〜サ〜お〜じょ〜う〜さ〜ま〜?)


(ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!)


(…後でじっくりお話を聞かせてもらうので、覚悟しておいてください)


(いやだァァァァ)


「あの…能有さん?もしかして勝手に妹さんに動物触れさせたのまずかったっすか?」


 ナイス流生先輩!おかげで首の皮一枚繋がった!


「いやいや、むしろこの馬鹿の世話をしてくれてありがたいよ」

 

うう、ひどい言われようだけど悪いことしたのはこっちだから何も言えない… 


その後流生先輩が「まあ、とりあえず帰ろうか」と提案し、私達は家に戻り始めた。


 「それにしても能有さん、よくここが分かりましたね」


「分かってはねえよ。しらみつぶしに公園を探していただけだ」


 まさかそこまでしてくれていたとは…。ユーノーには本当に申し訳ないことをしちゃったな。


 (あ、実際は人の記憶から辿ってきただけですよ)


(え?)


(流石に私まで魔法が使えることがバレてはたまりませんからね)


(なるほど〜) 


 そうテレパシーで会話している時に、彼が私達に話しかけてきた。


「そういえば二人とも今日家に来ません?最近動物達が冬越しに備えて全然遊びに来てくれなくて暇なんすよ」


「あー、この時期エサあんまないもんね。私は良いよ。お兄ちゃんは?」


 なんかユーノーのことお兄ちゃんって言うの凄い抵抗感あるな…。


「俺もいいぜ。暇だし。でも一回家帰らせてくれ」


「了解っす、待ってます」


 そんな会話をしている内に、家が見えてきた。ここまで6時間位かかった気がする…。もちろんそんなにかかってないけど。


「じゃ、また後で」

 流生先輩はそう言いながら隣の家に入る。私はういと返事をしてユーノーの方を向く。


「私達も家入ろっか」


「ええ。これからリサお嬢様へのお説教もありますしね」


 やばい、すっかり忘れてた。


「お手柔らかに…」


「いえ、手加減抜きでいきます」 


「嫌だァァァァァ」


 私のその叫び声は、空に儚く消えて言った…。




 







※この後こっぴどく叱られた


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