2話 家出?と謎の少年との遭遇
前回のあらすじ
リサは日本でやる事リストを作った!そして日本の洗礼を受けた…
全くさっきは酷い目にあった!
結局あの後ユーノーがN◯K職員?の対応をしてくれたので助かった。でも私は日本に来て初のトラウマができてしまった。
「もう私応対したくない」
「すいませんリサお嬢様。私が最初から出ていれば良かったのですが…」
「ユーノーが謝ることじゃないよ。私が叫ばなければ済んだ話だし。それよりあの人めっちゃ顔怖くない?もしかしてジャパニーズヤクザ?」
「違います。後ヤクザは日本にしかいないのでジャパニーズもクソもありません」
「なーんだ、違うのか。てっきし私が借金したとかで殺されるのかと思ったよ」
「道理であんなに叫んだんですか…普通に近所迷惑なので気をつけましょうね」
それからユーノーは一つ言い忘れていたことがあると言ってきた。それは、私達の名前についてのことだった。
「やはり、本名のままでは日本人じゃない事がバレバレですからね。そこで、これから私のことを須藤能有とお呼び下さい。それからリサお嬢様はこれから自己紹介する時は自分の名前を須藤理沙として下さい」
「分かったわ。でもそれ伝え忘れないでよ!ただでさえ家にヤクザが来て怖かったのにいきなり須藤さんのお宅ですかとか聞かれたから余計慌てちゃったじゃない!」
「そこは大変申し訳ございませんでした。以後気をつけます」
「以後っていつあんのよ!前から気をつけてよ!」
私はそう吐き捨てるように言うと、「気分転換に公園言行ってくる」と言って家を飛び出した。後ろからユーノーの声が聞こえるが無視して走る。
正直ただの八つ当たりだってことは自分でも分かってる。
そもそもそんなに大事なことは自分でも把握するべきだ。
言い忘れたユーノーもユーノーだが、それを怠った私も悪い。
ただ、今私は恥ずかしさで頭がパンクしていた。
それから大体十分ほど走り続けた時に、私はどこかの公園に着いた。そして、同時に迷子になってしまった。地図も持っていないのだから当たり前ではあるけれど。
12歳にもなって迷子とか流石に恥ずかしすぎる。服も部屋着だからかなりはしたない格好な上、めっちゃ寒い。こんなことなら家から飛び出さなければ良かった。ユーノーも心配しているだろうし、早く家に帰らないと。
そう思った私は早速公園に地図がないか探し始めた。
一通りぐるっと公園を回ったが、やっぱり地図は見つからない。ただ、一つ気になった事がある。
それは、さっきから木陰に隠れてこそこそと動物達といちゃついてる少年の事だ。
年齢は私より少し上くらいかな。整っている顔とは反対に、服装はかなり乱れてるように見える。
正直かなり気になる。
まるで動物の言葉を理解しているかのように振る舞っているし、野生動物が普通あんなに人間に近づくものかな。
確かに日本では人間慣れしている動物が多いと聞く。
だからそこはもしかしたら問題ないのかもしれない。
でも、いくらなんでも猫とハト、ネズミが共存しているのはおかしいと思う。仮にも天敵なのに。
私はあまりに気になって仕方なかったので、意を決して彼に話しかけることにした。
「あの、すみません。そこで何をされてるのでしょうか?」
「見ての通り、動物達と戯れているだけだよ。君も一緒に遊ぶかい?」
彼はそう言うと、猫の肉球を見せてきた。
それはいくらなんでも卑怯よ。思わずはいと返事してしまったじゃない!
「お、ノリいいね。それじゃ早速この肉球触るとするかい?」
そう言って彼は猫の手を伸ばし私に近づけてくる。
猫は慣れているのだろうか。嫌がる素振りを一切見せてない。それどころかむしろはよ触れと命令している気がする。
私はとうとう欲望を抑えられず肉球を触ってしまった。プニプニしていてとても心地よい。
これならいつまでも触ってられる!
いや、こんなことをしている場合じゃない!さっさとこの少年が何者かを探り、あわよくば家まで送ってもらわないと。
「あなた、もしかして動物と意思疎通ができるんですか?」
「いやいや、まさかそんな訳ないじゃん。確かに知ってみたいけどね」
そう言う彼の顔は確かに笑っていた。
でも、私は彼の目が一瞬泳いだのを見逃さなかった。
彼はもしかしたら才能があるのかも知れない。
これはますます彼のことが気になってきた。
これは私の力を見せてでも彼の秘密を知りたいな。
あぁ、もう我慢できない!思い切って聞くとするか!
「あなた、魔法使いだったりしません?」
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