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2章 2話(20話) 

それから私達は佐藤先生の話を聞いた。


 音楽室で田中さんは亡くなったこと。

音楽室は密室で、田中さんは一人でピアノの練習をしていたこと。遺体には刃物のような物で刺された後があったこと。田中さんを殺した犯人はまだ見つかっていないこと。


 そして、よく辺りを警戒し、できるだけ複数人で過ごすようにする心がけるようにと注意がされた。


 先生の話を聞いた後のクラスメイトの反応は様々だった。


 犯人を倒すと豪語する子、犯人を探して吊るし上げると言う子、怖がり震える子。


 私は…犯人を探す人を止める子。

 

 先生の話を聞いた感じ、多分犯人はまた魔法使い。


 となると、非魔法使いが下手に関わると命が危ないよね。


 それに、仮に普通の人間がやったとしても、凶悪犯なのは間違いないし。


 ということで、私は止めようと思ったんだけど…なんか金縛りに襲われて、動けなかったんだよね。


 それから、私が必死に金縛りから逃れようとしていると、ユーノーがテレパシーを送ってきた。


(リサお嬢様。一つ、言っておくことがあります) 


(ユーノー!?今どこにいるの?今私誰かに金縛りの魔法かけられちゃったから解いてくれない?)


(あ、それかけたの私です)

 

(え、なんで!?あ、もしかして謀反?)


 なら早く逃げないと!


(そんな訳ないでしょう。リサお嬢様がやっては駄目なことをしようとしてたので止めたんですよ)


(駄目なこと?…犯人探しを止めることの話?)


(そうです。それやった暁にはもれなくクラスからハブられますよ)


(ハブられる?なにそれ)


(周りから無視されるってことです。とにかく止めてください。リサお嬢様が幸せな学校生活を送りたいなら)


(分かったよ…だから早くこの金縛り解いて!)


 さっきから幽香ちゃんが不思議そうにこっち見ててなんか恥ずかしいんだよ。


(いいですよ。手荒な真似をしてすみませんでした)


(ほんとだよ…。どう考えてもか弱い女の子にする行為じゃないよこれ…)


 私は再び動けるようになるのを確認すると、心の中で舌打ちをする。


 そうしてしばらく身体の動きを確かめていると、幽香ちゃんが話しかけてきた。


「あの…さっき何してたの?」

 

「…ぼーっとしてただけだよ。それより幽香ちゃん。幽香ちゃんの固有魔法って幽霊と会話もできるんだよね?」


「一応できるよ…条件付きだけど…」


「条件?」


私は首を傾げながら幽香ちゃんの話を聞く。


「うん…。例外はあるけど…、基本誰かに幽霊を憑依させないと会話できないの…。…なんでそんなこと聞くの…?」


「実は、田中さんの霊に話が聞きたいの。協力してくれない?」


 他の人の犯人探しを止められないなら、私が真っ先に犯人とっちめればいい。


「いいけど…危なくない?魔法使いかもだし…」


 幽香ちゃんは不安そうな顔でこちらを見つめてくる。


「大丈夫。この前は幽霊に負けちゃったけど、私こう見えて強いから」


「………」


幽香ちゃんの目が疑いの目に変わる。どうやらまったく信じてないみたいだ。

 

「ま、まあとにかく後でお願いね!」

 

「…気をつけてね」


 幽香ちゃんがそう言ったと同時にチャイムが鳴り、私達は席についた。



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