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18話 始まりの終わり その2

私が入学式に向かってから、数時間が過ぎた。


 入学式は過酷だった。

 

 まずは、あの校長先生の眠くなる話を寝ないように必死に聞いた。


 その後、色々な人の話を聞いた。

 

 その中には遅くなったことを十分ぐらい叱ってきた人もいた。

 

 その人が叱っている時に、ちらりと幽香ちゃんを見たら、顔を伏せている姿が見えた。

 正直見てて可哀想だったけど、席が遠くて何もできなかった。


 それから、教室に戻り、解散して、私達は家に帰ってきた。


 「はあ~疲れた。今日は色々ありすぎてもう死にそうだよ…」


 「気持ちは分かりますが、今それを言うのはやめてください。なんか本当に亡くなってしまいそうで怖いので」


「それは考えすぎでしょ。ほら、今も元気いっぱい…って…キャッ!」



私は飛び跳ねて健康アピールをしようとしたが、ついふらついて倒れそうになってしまった。


 だが、それを予想していたのかユーノーは私のことを優しく受け止めてくれた。

 


「なんで倒れる前に悲鳴を上げてるんですか…」


「いや、なんかつい…」


 なんか来るって思うとつい反射的に悲鳴上げちゃうんだよね。


「まあ、とにかくしばらくリサお嬢様はソファかベッドで休んでください」


「うーん、まだ私が気絶してた時の話聞いてないからそれ聞いてからでいい?」


「いいわけないでしょう!なんで逆にいいと言うと思ったんですか…」

 

 ユーノーは驚きと怒りが混じった顔でそう言った。


「いや、私がなんかやっちゃったのかなって気になってたから。それに、やっぱりなんかユーノー私に隠し事あるでしょ?」


「あー、バレてましたか。まあ、後で話すって約束してましたからね。いいでしょう。話します。そのかわり、話終わったらすぐ休むんですよ」


 ユーノーはそう言うと、その時のことを話し始めた。


 私の固有魔法に自我あること。そしてそいつが私が倒れてる間に私の身体を乗っ取ったこと。そいつがユーノーや牧田兄妹を殺そうとしたこと。なんとかユーノーと流生先輩でそいつを止めたこと。


 それらの話をすべて聴き終わった後に、私は一つだけ質問をした。


「私の固有魔法の暴走は過去にもあったの?」


それに対し、ユーノーは静かに縦に首を振り、こう言った。


「はい。確かに昔に一回、リサお嬢様が幼い頃にありました。ですが、その時は魔王様が体を張って止めていらっしゃったので、リサお嬢様が気にする必要はありませんよ」


「昔にあったなら、なんで教えてくれなかったの?」

 

 私は不満気な声でそう聞く。


 …こんなことになるなら、できれば言ってほしかった。


「…リサお嬢様には、せめて子供の時ぐらいそういう不安なしで暮らして欲しかったので」


「…なら仕方ないね。…かしらごめん、余計な質問した」


「いえ、構いませんよ。さ、明日から学校なんですから、今日はゆっくり休んで明日に備えてください」


「うん…分かった」


私はそう言うと、ベッドに向かおうとした。


 だが、一つ言い忘れたことを思い出し、私はもう一回リビングに戻った。


「あれ、どうしました?もしかしてさっきの話のせいで眠れなくなってしまいましたか?」


「いや、一つ伝えたいことがあって」


「なんです?」


「…今まで色々助けてくれてありがとう。これからもよろしく」


「ええ、こちらこそよろしくお願いします、リサお嬢様」





これにて一章完結です。

2章目からは学校編入ります


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