魔法ノ暴走 その3
学校まともに行くの2章目になってしまい申し訳ございません
「どこかに行ったですと!一体どちらに向かったのですか!?」
「えっと…ぼんやりしてたから…よく覚えてないけど…階段を上がって…」
「あんまり幽香に話させないでやってください。多分今かなり疲れてると思うので。ところで、なんで能有さん敬語なんですか?」
「あっしまっ…まあいいでしょう。単純に敬語で話すと気味悪く思われるかなと思って今まで乱暴な口調で話していただけです。それより私は理沙を追いかけるので、流生君は幽香さんのことを頼みます」
「あ、そうだったんですか。僕は別に咎めたりしないので自由に話してもらって良いですよ。後、追いかけるならこの鷹を連れて行ってください」
「鷹ですか、状況確認用ってことですよね。いいでしょう、まあ多分何事もないとは思いますが念には念を入れときましょう」
私はそう言って彼らと別れると、リサお嬢様を探しに階段を駆け上がる。
2階にはいない。なら3階は?いや、駄目だ、いない。
私の固有魔法、精神操作は魔法をかける対象の居場所を正確に把握していないと使えない。
よってリサお嬢様を探すのには役に立たない。つまり地道に探すしかないのだが、
探しても探しても見当たらない。いるのは人間に憑依した幽霊達だけだ。
私は屋上に上がり、そこで一人の女性を見つけた。
しかし、それはリサお嬢様ではなく、彼女の夢に出てきていた女性だった。
「いやー後少しだったんだがな、リサちゃん。まったく、貴様が教育係として無能過ぎるせいだぞ。」
「なんであなたがまた出てきているんですか、ロー・オブ・ネイチャー!」
オレンジ色の髪と緑色と青色の目。本来ならこの日本ではとても目立つ存在。
だが、幸いなことに現在その姿を見ている者は、私とこの鷹、そして流生君のみ。
私の任務には支障がない。
私の任務、その2。それはリサお嬢様の固有魔法の暴走を止めること。
先程の幽香さんの固有魔法の暴走。あれは私が既に精神操作で収めた。
憑依された人達もそのうち元に戻るだろう。
だが、問題はこっちだ。
リサお嬢様の固有魔法の暴走は他の者の暴走とは格が違う。
自我を持つ固有魔法。それが表に出て来るのだ。
本来固有魔法は自我など持たない。だが、リサお嬢様は特別だった。悪い意味で。
「なんだ、その言い草は。儂がいなければリサちゃんもあの娘も死んでおったぞ。リサちゃんが倒れた後幽霊達を始末したのは儂だからな」
「それは素直にお礼を言いましょう。ありがとうございました。ですが、まだなぜリサお嬢様に身体を返さないのですか?」
「そりゃ貴様言わなくとも分かるだろ。もっとリサちゃんの身体で楽しみたいからに決まっておろう」
「いえ、全く理解できません。いいからさっさと身体を返しなさい。どうせあなたまた色々破壊してから帰るつもりでしょう!」
「お、よく分かってるじゃないか貴様。リサちゃんにはたっぷり希望を与えた後、絶望の底に叩き落としてやりたいからな」
彼女は心の底から喜んでいた。リサお嬢様を精神的に痛めつけることに。正直理解できたものではないし、理解しようとも思えない。
「実はさっきな、幽霊殲滅した後に、リサちゃんに身体を一時的に返してやったのだよ。そしたら泣いて喜んでてとてもかわいかったぞ。ま、絶望に満ちてる顔はもっとかわいくなるんだろうがな」
「…それを聞いて私がはいそうですかと言ってここから離れると思うのですか?」
「思わんな。だから力ずくで行かせてもらうぞ!」
※ハッピーエンドです
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