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11話 魔法ノ暴走

これは…一体どういう状況なのだろうか。

 私が幽霊が見えるのはなぜ?幽香ちゃんがこの状況を引き起こしたの?様々な疑問が湧き上がるが、今はそれどころではない。



 幽香ちゃんの体から血が流れるように出ている。あと少し駆けつけるのが遅ければ恐らく彼女は今この幽霊達の一人になっていただろう。


 私は急いで彼女の傷に向けて「ロー・オブ・ネイチャー」を使用し、彼女の身体を再生させ、止血する。


 だが、止血しただけで、幽香ちゃんの身体に血が完全に戻った訳ではない。


 再生魔法は物体を貫通することができない。だから先に傷が塞がってしまうと血液を再生できなくなる。


 つまり、早くなんとかしないと幽香ちゃんの命が危ない!


 ユーノーの時といい、私は本当に誰かが傷ついているのに気づくのが遅い。


 今回だってもっと早く幽香ちゃんを治療できていたら、今時間に迫られることはなかったはずだ。


 幽霊は私が幽香ちゃんを治している間に何故か見えなくなってしまった。 


 しかし、どうやらまだ奴等はいるみたいだ。どんどんここら一帯の気温が下がっていっているのを肌で感じる。


 とりあえず保健室に運ばなければ。私は呪文魔法(説明は今後)の、「身体強化を唱え、倒れている幽香ちゃんをゆっくり持ち上げ、トイレから出ようとした。

 

 しかし、私は一瞬思わず足を止めてしまった。

  

 教室でなにか異変が起きている。私は一瞬ちらりと教室覗くと、そこに広がっていたのは、異常としか言えない状況だった。


 全員が机に伏せて倒れている。ユーノーや幽香ちゃんとは違って血は出てないようだが、明らかに何か様子がおかしい。


 想像を張り巡らしている内に私も見えないなにかに背中を刺され、倒れそうになってしまう。

 

 私はなんとか踏ん張り、体を再生させて、幽霊と思われるものから幽香ちゃんを抱えて逃げる。


 コイツら、強すぎる。


 まずこの幽霊達を追っ払わないと、私まで殺されちゃう!

 

 幽霊が苦手そうなのといえば…光かな。


そう考えた私は光の呪文魔法を唱え、辺りを光で覆い尽くす。


 すると、幽霊達は姿を見せると、怒ったようにこちらに猛攻を仕掛けてくる。


 嘘、怒らせちゃった!?まずいまずいまずいまずい!


  私は必死に幽霊から逃げようとした。だが、階段を降りようとした時に足を引っ張られ、階段を転げ落ちてしまった。

 

 そして結局私は階段の端へと追い詰められてしまった。


「…流石にこの物量は少しまずいかな」

 

 少しどころじゃない。相当まずい。


 まずいけど、勝算がないわけじゃない。


さっきの光の魔法で、奴らは姿を見せた。


 そして、奴らの居場所が分かった今なら私の固有魔法、「ロー・オブ・ネイチャー」で奴らを破壊できる!


とは言え、この量を一度に始末するのは容易じゃない。

 せめて、なにか長物があればアレを使えるんだけど…。そう都合よく落ちてる訳が…ってある!


 私は一回幽香ちゃんを床に優しく下ろす。


そして階段の手すりを破壊すると、それに魔力を込め、破壊魔法(ロー・オブ・ネイチャー)をまとわせる。


 私の固有魔法「ロー・オブ・ネイチャー」は、普通に使えばただ拡散するだけの危険な魔法だ。でも、こうやって長物にまとわせるように使えば、何でも切れる、最強の剣に変化する!


私は幽霊に思いっきり手すりで斬りつけ、幽霊達を必死に追い払う。

 

 しかし当然幽霊達も抵抗してくる。

奴らは私の攻撃を上手くかいくぐり、私に少しずつ傷を負わせていく。


 まずい、時間がかかり過ぎてる。このままだと幽香ちゃんが死んじゃう!


 そう焦ってしまったのが命取りだった。

幽霊が後数体というところで、私は重大なミスを犯した。


 私が犬の幽霊と戦っている時に、幽霊の一人が黒板消しを投げつけてきたのだ。


 私はその黒板消しを避けることができず、直撃してしまった。


 そして私は手すりを落としてしまい、手すりは階段の床を破壊しながら下に落ちていってしまった。



 武器がなくなった私に幽霊達は一斉に襲いかかる。


 右腕が熊の幽霊によって吹き飛ばされ、

私は思わず絶叫してしまう。

 

 「あ、いっ、だだだだァァァ!」


 私がそうしてもだえ苦しんでいる間にも攻撃は続く。


私は必死に身体を再生させるが、間に合わず、どんどん身体が傷ついていく。


 そうして、大体服が赤色の服に変わったぐらいのときに、私はあることを考えていた。


 この光景…どこかで見たことあるような…


 一体どこで見たのか。私はその答えを探そうとしたが頭が回らない。

 

 そうしてそのままだんだん力が抜けていき…私の意識は薄れていった。


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