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10話 異変

前回のあらすじ

ユーノーって名前のくせに無能な奴がなんか色々言ってた。後幽香ちゃんと同じクラスだった。

いざ二人で教室に入ってみると、そこにはまだ数人しか来ていなかった。どうやら早すぎたみたいだ。


「えっと私の席は…げ、一番前の真ん中じゃん。最悪!」


名前が須藤である以上、真ん中なのは覚悟していたが、まさか一番前とは。せめて二番目が良かった。


「あ…私、一番後ろ…」



幽香ちゃんはどうやら黒板方向から見て右から二番目の一番後ろのようだ。


 「いいなぁ幽香ちゃん。私と席代わってよ」


「え…それはちょっと…」


冗談で言ったつもりだったのだが、どうやら本気にされてしまったらしい。幽香ちゃんは困った顔している。


「いやいや冗談だから!お願いだからそんなに引かないで!」


「あ…ごめん…。つい真に受けちゃって」 


幽香ちゃんは少し落ち込んでしまい、その後、「ごめん…ちょっとトイレ行ってくる…」と言ってトイレに行ってしまった。


…やりにくいな、これ。幽香ちゃん相手には冗談控えないようにしないと。


そう考えながら私が席に座ると、隣にいた子が話しかけてきた。


「あなた、どこの小学校から来たの?この辺で見かけたことないけど」


「え、えっと神奈川某小学校から転校してきたよ。最近来たから知らない人がほとんどじゃないかな」


危なっ!一瞬前の学校について聞かれた時の対処法忘れちゃってた。せっかくユーノーがこの前教えてくれてたのに。


「ふーん、そうなんだ。あ、そうだ。私の名前は多田野風子って言うんだ。気軽に風子って呼んでね。それにしてもあなた、あの子と知り合いなんだね。」 


「よろしく。須藤理沙って言うよ。ところであの子って幽香ちゃんのこと?幽香ちゃんがどうかしたの?」


 

「あの子、最近妙な噂があるんだよ」


「噂?」


 もしかして流生先輩が話そうとしている内容と同じだったりして…。


「それがね。彼女、幽霊が見えてるんじゃないかって」


「え、幽霊!?」


 確かに名前に幽がついてはいるが、まさかそれでそんな噂があるのか?


「なんか、ここ最近何もない場所を見て怖がってたり、笑ってたりすることがあるからさ。最初はなんか中二病でも発症したのかなって皆思ってたんだけど、一人でもなんか会話してたりしてて、そういう噂が流れたの」


 彼女は不気味そうな声でそう答える。


「へ、へえー。ここ最近、ていつからか分かる?」


「そうだね…、大体5ヶ月前位かな。時期なんか聞いてどうするの?」


「いや、なんとなく聞いただけ。気にしないで」


 5ヶ月前か…。ユーノー殺人未遂事件と大体同じ時期だな。

 …でもユーノーが前に心の中を覗いた時は無関係みたいだったらしいけど…。

 それに、幽香ちゃんがそういう反撃をするタイプには見えないけど…。


「あ、なんだなんか知ってるわけじゃないのね。ところで理沙ちゃんだっけ?なんであの子と知り合いなの?」


「家が隣なんだよ。そこで仲良くしてたって感じかな」


「そうなんだ…。ごめんなさい、なんか変な噂伝えちゃって」


「いや、別に気にしてないよ。たとえ幽霊が見えてたとしても私は気にしないし」


 そもそも私も人外だからね。

 

 幽霊が見えるのが魔法によるものだったら色々聞いてみたいとこだけど。


そんなこんなをしていると、担任の先生がやってきた。


 幽霊ちゃん結構時間たったのに戻って来ないけど、入学式間に合うのかな?ちょっと呼びに行くタイミングあったら呼びに行こ。


「はい、皆さん。はじめまして!私はこの1年2組の担任の、佐藤太郎と言います。凄く普通の名前すぎてよくネタにされるのが悩みです。よろしくお願いします!」


 幽香ちゃんが結局来ないまま、先生が話始めてしまった。本当にあの子はいつまでトイレに引きこもっているのだろうか。多分私の冗談とは無関係とはいえ、少し不安になってくる。


 その後、佐藤先生が点呼をしたが、その時にも幽香ちゃんは来なかった。

 私が一応トイレに行ってるとは伝えたとは言え、大丈夫だろうか。

 どんどん不安だけが大きくなってくる。


そしてその後、佐藤先生が、「それでは、これから後三十分ぐらい後に、皆さんにはあそこの体育館に向かってもらいます」と言って、何処かに行ったので、私は幽香ちゃんを探しにトイレに向かうことにした。


 トイレに着くと、私はトイレのドアを開けようとした、しかし、なにか引っかかっているのか、ドアが開かない。


 私はとても嫌な予感がしたので、近くに誰もいないことを確認すると、「ロー・オブ・ネイチャー」を使用し、無理矢理ドアを破壊した。


そして、私はトイレの中を見ると、幽香ちゃんがトイレの床に倒れているのを見つけた。


「逃げ…て」


 彼女がそう言ったと同時に、悪寒が私の全身を走る。


 私がその悪寒の正体を気づくのに、時間はかからなかった。


 私が辺りを見渡すまでもなく、そのトイレには、幽霊がぎっしりと詰まっていた。


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