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9話 入学式

いよいよ中学校編!

あの悪夢から大体五ヶ月。私達は結局何も分からぬままここまで来てしまった…


「あのさ…確かに想像はできてたよ。多分このまま何も分かんないまま時間だけ過ぎてくパターンかなとはさ。でもさ、まさか入学式になるまでほとんどなにもないとは思わなかったよ…」

 

「ええ…。私も同感です。ですがリサお嬢様。恐らくそろそろ時期が来ますよ」

 

 ユーノーは紅茶を飲みながらそう言った。

 「それ言ったの何回目だと思ってんの

…」


「いやいや、今回は自信ありますよ。リサお嬢様の見た悪夢も学校が舞台だったんでしょう?なら多分中学校で何か起きるんですよ」


「いつもそんな感じのこといってるけど、結局何も起きないじゃない!」


「いやいや、まだ根拠はありますよ」


 ユーノーは自信満々そうにそう答える。


 どこからその自信が沸いてくるんだか。

まあ、万が一まともな考えだったら困るし、聞いてみるか。


「私が傷を負う原因となったあの牧田流生があの学校にいるじゃないですか。犯人ではないとはいえ、犯人となんらかの関係はあるはずですよ」


「あのさ…、それを散々調べて結局ロクな情報出なかったの分かって言ってる?」


「分かってますとも。ですが、今回は一つ今までと違う点があります。それは、ようやくまともに牧田幽香の調査ができることです」


 幽香。彼女の捜査はほとんど進んでおらず、現在例の事件になんらかの関わりがあるのではないか。と、私達の中で話題の人物だ。


「あー、幽香ちゃん影薄すぎて全然見つかんなかったからね。多分家に居ることが多いんだろうけど、こう何回も遊びに行くのも悪いもんね」


「そう!そこでリサお嬢様と同じ学校って所が出てくるじゃないですか。これはもう決まりじゃないですか?」


「いやいや、流石に決めつけがすぎるって。まあいいけど。所詮(しょせん)ただの想像だし…ってもうこんな時間じゃん!早く学校行かないと!」


「あ、そうですね。そろそろ行きましょうか」


 私達はそう言って家を出ると、学校に向かった。

 

 そうして私がこれから通う学校、某中学校に着くと、牧田兄妹がいるのが見えた。


 生物との視覚共有を利用したのだろうか、流生先輩はこちらに気づくと、こっちに近づいてきた。


「やあ、お二人さんももしかしてご両親が忙しかった感じかな?」 


「そうだけど…今の質問流石にデリカシー無さすぎない?私にも幽香ちゃんにも」


 私がそう言うと、流生先輩は慌てて謝ってきた。


 「あ、ごめん…理沙さん、幽香。そんな気はなかったんだ。僕の時もそうだったもんで…つい」


「まあいいよ。今日はせっかくの入学式だし、こんなことで怒ってたらキリないからね」


「本当にすまないね。あ、そうだ理沙さん。少し聞きたいことがあるから入学式が終わったら一旦僕の所に来てくれないかい?」


「いいけど…先に用件話すのは駄目なの?」


「うーん、できれば二人で話したいかな。あんまりこう、他の人が聞いても理解できる話じゃないし」


…この様子を見るに、魔法関連の話かな。でもなんで今そんな話を…?


(ほら、あれですよ。やっぱり動き始めてるんですよ。何かが)


(なっ…また心覗いてたのね…。まあ、その可能性は案外あるかもしれないかもね。過度な期待はしないでおくけど…)


「うん、分かったよ。でもとりあえず後でね」


 そう言って私と幽香ちゃんは二人と別れ、クラスを確認する。


「あ…同じだね…」


 幽香ちゃんが2組の列の私の名前と彼女の名前を指差す。


 「お、本当!?私この辺の知り合いいないから幽香ちゃんが一緒だと心強いかな」


「うん…私も」


「じゃ、早速教室行ってみようよ」


「うん…行こうか」


  そして、私達は上履きに履き替え、教室に向かった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 読みやすかったです! 現代東京と魔法の組み合わせも良いですね! [一言] これからどうなるのか楽しみです!
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