朝のひと時
朝、ナルニアに借りた部屋のベッドの上で目が覚めた。
この世界では時計はかなり高いものでこの城にもない。だから、朝起きたらすぐ時間のチェックをするのが習慣だった俺には、今が何時なのかよく分からないのは、歯磨きをしないで寝るくらいもやもやする。
ぽっちくんの中に時計は入っているが、それは、この世界が24時間と地球と同じなのが分かっていても今が何時なのか分からなければ時計の調整が出来ないので使えない。
仕方が無いので時間のチェックは諦めて俺に抱きつくように寝ているナルニアを起こすことにした。
独りは寂しいとナルニアが夜中にベッドに潜り込んできたのだ。いろいろあったし仕方ないと思う。
昨日の風呂から上がった後、ナルニアはよく甘えてきてくれるようになった。俺が頭をぽんぽんしたりなんかのスキンシップをしても、顔を真っ赤にして「むー」っとほっぺを膨らましたりはするが、なんだかんだ嬉しそうだった。
...普通に揺さぶって起こすのはなんか勿体ないよな?ナルニアの照れる反応はかわいいんだ!「簡単ないたずらをしてみたい」という欲求が抑えられない!
手始めにほっぺを突っついてみる...
「...ん...」
ほっぺをムニムニしてみる...
「むー...んむー...」
やばい、かわいい!特にほっぺをムニムニした時に「むー」って息が漏れるのが可愛いくて癖になりそう。
頭をぽんぽん撫でみる...
「ふへへ...もっと.........ってなにしてるの!???」
さすがに起きてしまった。
「なにって...いたずらに、ほっぺを突っついたり、ムニムニしたり、頭をぽんぽんしたりしてた。」
みるみるうちにナルニアのほっぺが赤くなり、
「ええ!?ひどいよ!今度私もするからね!」
...仕返し宣言された。
いたずらされる俺って需要あるのか...?
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「私、ファフについて行くことにしよっかなって思ってる。」
ぽっちくんから出した朝食を食べている時にナルニアはそう話をきりだした。
「この城はどうするんだ?」
「家族との思い出の場所でもトラウマの場所でもあるから...たまに戻ってくるぐらいが丁度いいかなって。」
「気分的にずっとは居られないか...んーでも、ついてくるって言われたって今はこの森をどっちに進めばいいかも分かってないしなぁ。」
そもそも、ナルニアの棺桶を開けたのはそういった情報を聞くためだ。
「んー、たしかね。こっから北の方にずっと進むと昔は草原に出れたの。今はどうなってるか分からないけど、昔は、この森から出るのに1番近い方向だったよ。」
「ほお、行ってみる価値はあるな。ずっとってどれくらいだ?」
「3日ぐらい。」
いや絶対転移場所おかしいだろ!森深すぎるやん!
「...ちょっと準備時間貰ってもいいか?まだこの辺の魔物と戦ったことなくてな。」
「えっ、どうやってここまできたの。」
「見つからないようにちょちょいって...」
嘘は言っていない。洞窟の中を見つからないようにここまできた。
「.......」
...すげぇ信じられないようなものを見た目で見られた。
話数不足も考慮して一日二話投稿でしたが少しは話数も増えたので一日一話投稿にしようかと...執筆速度が足りない(´・ω・`)