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吸血鬼

 気を取り直して、棺桶から出たヴァンパイアちゃん(仮名)と棺桶があった部屋から少し離れた所にある小さなリビングに移動する。


 ヴァンパイアちゃん(仮名)なのはまだ名前を聞けていないからだ。血液がないとつらいと言うので、錬金用に持っていた血液パックをあげると、棺桶の中にいた理由を語ってくれた。


 どうやらあの棺桶は呪いをかけられた棺桶らしく、かなり前に来た冒険者のパーティにいた呪術師によって閉じ込められていたという。


 もともとヴァンパイアちゃん(仮名)とその家族はこの城で静かに住んでいた。ある日、遠く離れた土地に住む、別の吸血鬼がやんちゃして大被害を起こした。それが火種となり、「吸血鬼危険すぎじゃね?」ってなって冒険者達が吸血鬼狩りを始めた。その結果、ヴァンパイアちゃん(仮名)家族は何もしてないのにやってきた冒険者に殺された。ただ、ヴァンパイアちゃん(仮名)だけは若いと理由で冒険者達は殺すのはやめて呪いをかけた棺桶に封印することにされたんだとか。


 んで、その棺桶を開けられるのは「生命体でない」かつ「魔物でもない」というもう絶対開けれんやんって条件...それ、俺だわ!


 魔法人形だから、生命体でないって言うのはグレーゾーンだけどな。


「...最初はあの中で暴れ回って見たりしたんだけどね...やっぱり開かなくて...」


「よく正気でいられたよな?俺なら多分狂うぞ。」


 あんな狭い空間で何も出来ずにいるとか、狂って下さいって言ってるものだ。幼いから殺さないって、封印する方がよっぽど残酷なのは気づかなかったのだろうか。


「いやもう、あれなんだけどね...吸血鬼って長い間、血を吸ってないと体温が下がってきて冬眠状態になるから...なんとか...みたいな」


「ずっと寝てたのか...それでもおかしくなりそうなもんだけど、筋肉量落ちて動けなくなったりとか色々ありそうだし」


「それは種族的なアレでなんとかなるよ...」


 おい、便利だなファンタジー。俺が言えたもんじゃないが。


「俺が開けた時に起きてたこととか気になることは多いけど...これからどうするんだ?」


 家族を殺され、長い間封印されていた。もし、この子が復讐に走っても俺は止める権利はない。


「あー...起きてたのは、棺桶を開けられる存在が来たらアラームを鳴らす...みたいな魔法をかけてたから...魔法開発の時間はいくらでもあったし...」


 遠い目をして語る、ヴァンパイアちゃん(仮名)から哀愁を感じる...寝てたとはいえ俺には想像できないほど苦痛だったはずだ。


「ま...開けられた時は嬉しくて...でも閉められないようにってフレンドリーにいったら失敗したと思って...うぁ...ぐすんっ...」


「あれ、そういう事だったのか!ほんとにすまん!」


「いいよ...ひゃんと開けてくれたから...ほんとに感謝ひてる...ありがとう...」


「おう!どういたしまして、あと呂律回ってないぞ。」


「むー!...でも、これからかー、棺桶の中に閉じ込められた最初は復讐しか考えてなかったけど、一周まわって今はもう...」


 ...ヴァンパイアちゃん(仮名)はこうはいってるが...棺桶の中でずっと復讐だけを考えていると絶対に狂う。狂わないために復讐心を捨てたのかもしれない。


「私の事は...今は出られたから...いろいろと気持ちの整理とかあるし、後で考えるよ。それより、あなたは?どうしてこんなところに?」


 あー...この質問正直に答えていいものか...正直に言ったところで変な人になるだろう...


「いやー、錬金術を極めるために森の奥で修行しててな?その修行の成果で魔法人形を作ったのはいいんだけど入れる魂がなくてね。自分のを使ったらこんな感じに?...あとはまぁ、極めたし好きに生きるか...みたいな?それで旅してたらここを見つけて...てね」


........


「え...いや...普通...自分の魂使う?...え?」


 めっちゃ引かれた。結局変な人扱いやん。

少しの間だけ話が話だけに暗めになっちゃいますね。

そして、キャラがふたり以上いると会話が多くなっちゃって文字量が増える(-""-;)ムム・・・

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