表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/77

閑話 吸血鬼への罪

これは王立図書館で見つけたある本の内容の1部だ。


_______________________


(前略)


 この世界には、魔物の力をもった...だが、魔物ではない存在、魔族が住んでいる。


 この本は、その中でも特に強力な力を持つ魔族「吸血鬼」へ人間が起こした残虐行為を記したものだ。


 時は○○○○年まで戻る。当時、まだ魔法陣技術の未発達が故に街中であろうと魔物の恐怖に脅えていた。


 魔法陣技術がある程度発達し、各街の地下に魔物避けの魔法陣が設置されている事が当然にもなった現代人にとっては考えられない環境だろう。


 そんな古き時代の人間は、他種族に対しても極度の差別行為を行っていたほどに愚かであった。


 それ故に、吸血鬼を魔物と呼称し、吸血鬼が生きるために血液を飲む行為をまったく理解せず嘲笑っていた。


 差別行為の一部を書くならば、吸血鬼が森奥に城を立て住むことを生意気と罵倒し、吸血鬼は魔物の血液をよく飲んでいたことから「やはり魔物」だと断言し、吸血鬼がやり返してこないことを理由に街にやってきた吸血鬼に物を投げると云った行為すら行っていた。


 森奥に住むのは、人間が街を追い出したからだ。魔物の血液は、「腐ったドブ水より不味い」という、それでもそれを飲むのは人間を傷つけぬために我慢してのことだ。やり返してこないことも、もう理由は分かるだろう。


 ずっと人間のことを思って吸血鬼は怒りを抑えていたのだ。


 だが、ついに差別行為に耐えられなくなった吸血鬼がいた。


 その吸血鬼は、ある街中で不平不満を言い続けたが、それでも聞き入れられなかった。

 最後に「もう魔物を狩ってやらない」と言い残して街を去ったという。


 それから約1ヶ月後にその街に、大量の魔物が攻め入るというスタンピードが起こった。


 これをあの時の吸血鬼が魔物を操って行った復讐であると当時の人間は考え、「やっぱり魔物だった」「人殺しだ」「吸血鬼を殺せ」っと騒ぎ立てた。


 しかもスタンピードを直接受けた人間は周りが騒ぎ立てるのを利用して、自分たちの都合の良いように情報操作した、「吸血鬼が騒ぎを起こし、俺たちがそれを止めたら魔物を放ってきた。吸血鬼は危険すぎる。滅ぼすべき存在だ。」っと。


 その結果、著作の私がいう「残虐行為」吸血鬼狩りが始まった。


 吸血鬼を探し出しては、無抵抗の吸血鬼を殺す、人間の方がよっぽど魔物であった。


 そして、人間は他種族に1度見捨てられたのだ。


 実の所、吸血鬼は森奥に住み、常に森の中の魔物の間引きを行っていた。


 ありえないペースで増える魔物をありえないペースで狩っていたのだ。


 そんな魔物を減らしていた吸血鬼が死ねば、魔物は増える一方で人間の国中でスタンピードが発生したのである。


 そのスタンピードは人類史災厄と言われ、人間の生活圏が魔物に次々と侵食され人類滅亡寸前まで行きかけた程である。


 人間が他種族に頼っても、どの種族も助けることはしなかった。そのまま滅べばいいとすら思われていた。


 今、こうして人間が生き残れているのは他種族の力を借りなければ不可能だ。


 最終的には他種族は人間を助けてくれたのだろう。


 人間はこのスタンピードを機に差別を改め...(後略)


_______________________

____________

_________

 第三話でナルニアのいっていた別の吸血鬼は別にやんちゃしたわけではなかったようです。差別に耐えられなくて文句を言っただけが、人間に情報操作され悪者にされた。


 今の時代には過去の人間の過ちとしてこの話が伝わっているみたいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ