商業ギルド
王立と名がついているだけあってかなりの書物があり、例えば最近の貴族や国民の悩みについてまとめられた本すらあった。
そして冒険者ギルドの情報についてだが...
絶対に冒険者にはならないと思えるようなブラックだった...ラノベのような強ければ良いというところではないらしい。
だが、俺としてはナルニアと自由に世界を旅したいしそれを実現するには纏まったお金が必要だ。
よって俺が目をつけたのが、商業ギルドだ。その名の通りで、試験はあるが登録すれば初心者すら簡単に商売を始められる。
売上の数パーセントを商業ギルドに納める必要がある代わりに、場所やら、国からの税やら、他の商人とのいざこざやらの問題を商業ギルドが受け持ってくれる。
ランクもあって、ランクが上がれば上がるほど様々なサポートを受けられるらしい。
え?商売を始めるなんてその土地から動けなくなるだろって?
それがいい方法を思いついてね。商売が安定するまでは動けなくはなるけど、安定すればあとは何もしなくても金が入ってくる計画があるんだ。
「そんな方法があったらみんなやってるよ...」
呆れているナルニアと共に商業ギルドへ向かう。位置は図書館にあった地図に書かれていた。
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「商業ギルドにようこそ、御用はなんでしょう?」
商業ギルドに入るとカウンターに座る職員にそう声をかけられる。
「えぇ、商業ギルドに登録しようと思いまして。」
「2人ともです?」
「私は違うよ。」
「わかりました...登録試験の勉強はしてきています?」
「勿論ですよ。」
「それではこれを。今は空いているのでここで大丈夫ですね。10分で解いてください。」
そう言って渡された紙には、マルバツ問題が30こ書かれていた。
内容は、四則計算から経済学、商業ギルドのルールについてなんかの問題だ。
四則計算は余裕だし、経済学や商業ギルドのルールに関してはICE500Zに図書館で手に入れたデータを保存しているからキーワード検索すればいい。
さらさらっと3分ぐらいで解いて職員に渡す。
「はっ...はや!全問正解ですし!凄いですね!」
「まっ...ちゃんと勉強してればよゆーです。」
「...(ファフずるー(ボソッ))」
俺のICE500Zを知っているナルニアは呆れてジト目で俺を見てくるが、ナルニアの頭をぽんぽん撫でて誤魔化しておく。
...バレなきゃ犯罪じゃないってどっかの宇宙人も言ってたからな。
それを知らない職員はニコニコ笑顔で会員証を作ってくれた。
「はい。どうぞ、これで今からあなたは商業ギルドの会員です。」
会員証を見るともう名前の欄に俺の名前が書かれていた。テストの用紙に名前を書いたからそこからだろう。
「新人さんですから、Dランクからですね。早速商売を始めるんです?」
「明日からするつもりです。」
流石に今日中に商売は無理だ。準備がいる。
これは、今日は転移石で城に帰ることになるな...
「なるほど場所を取っておきますね。商品を売るにあたって必要なものは何かあります?」
「場所だけで問題ないかと...」
「わかりました。それではまた明日、場所を聞きに来てください。」
皆さんが、異世界で商売するとしたら何を売ります?