王都
昼飯を食べ終わり少し休憩していると遠くに馬車が見えた。
念の為、そーなーんくんで調べてみるが馬車から敵性反応は無い。
しばらく待っているとその馬車が俺たちの前で止まり、
「嬢ちゃん達、こんなとこで休憩かい?」
御者のおっちゃんが声をかけてきた。
...とりあえず猫を被っておくか.....
「そうです。旅している途中でして。」
「そりゃ...武器も持ってないように見えるが?大丈夫なのか?」
「問題ないです。」
俺は、そっとポッチくんの口を背後にまわし、そこから適当な剣を取り出した。
...多分背中に隠していた剣を取り出したように見えるはず。
「なるほどな。冒険者か。懐かしいな。」
「懐かしいですか?」
「あぁ、若い頃に冒険譚に憧れて...実力もないのに冒険者ギルドの門を叩いたからな。すぐに現実を見て辞めちまったがね。」
頬をぽりぽりと掻きながら懐かしそうに話すおっさんは、俺達のことを冒険者と勘違いしたらしい。
「どうだ?王都まで買い付けに向かっている途中なんだが乗ってくか?」
「いいんですか?ありがとうございます!」
「...........(え?ファフ猫かぶりすぎだよ(ボソッ))」
ナルニアが、呆れた顔で何かを呟いていたのでとりあえずサムズアップしておいた。
「はぁ...」
なぜか、ため息をつかれた。
「おじさん。よろしくね。」
「おうよ!」
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おっさんの馬車に揺られて丸一日、やっと王都についた。特に何事もなく安全な馬車旅だった。
...いや、危険なことといえば、晩飯にハンバーグをおっさんに出すと、息子の嫁に欲しいとか言い出されたが恐怖を感じながらスルーしたあれぐらいかな。
ちなみにナルニアはその状況を見てクスクス笑っていた...
別れの挨拶を街の入口で済まし、感謝にハンバーグ弁当を渡して、そそくさと中央へ退散する。
素直に「息子の嫁に欲しい」は怖すぎて一緒にいたくない...
「すっごい逃げ腰だったね。そんなにあの言葉怖かったの?」
「あぁ、体は女の子で作ったが、中身は男だからな。男と結婚は絶対にない...」
顔を真っ青にして答えると...
「もう、トラウマじゃん。大丈夫?」
さすがに昨日の夜は笑っていたナルニアも流石に心配そうにした。
「あぁ...大丈夫だ。それよりも、俺たちは全く情報を持っていないからな。この国の情報が欲しい。とりあえず街の中央あたりまでいこう。後、金と宿屋だな。」
「足りないものばかりだね。頑張らなきゃ」
やっと...街に着いた...
P.S.投稿予約の時間設定ミスってました。時間遅れて投稿ですorz