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1年生とかあったっけ?

2年生になりました。


………え、1年間はどこにいったかって?

んなもん星になったに決まってんだろべらんめぇ。


という訳で2年生です。

8歳です。

今年からプリティーマイシスター凛も後輩として入学しました。


2年生になってもクラスメイトはそのままだ。

うちの小学校は2年ごとにクラス編成が変更されるらしい。

だから進級しても俺の教室の顔触れは変わらない。


この1年間は特に大きな変化というものも無かったが、細かな変化は幾つかあった。

教室で談笑する子ども達を眺めながら、俺は昨年の事を思い返した。








小学生となった事で、本格的な教育が始まったわけだが、当然俺はその程度の教養は既に持っている。

これでも前世は大卒だ。

だからといって今高校の入試なんかを受けさせられたらボロボロになる光景しか浮かばないが、流石に小学生低学年の内容など常識の範囲内だ。

国語や算数なんかは、睡魔との戦いであった。


体育ではヒーローのような扱いを受けた。

体のスペックが元から高い上に体操や空手で鍛えた身体能力は、小学生低学年の水準を大きく上回っていた。

中身は大人なので当たり前だが、走り方等も普通の子どもより正確で、皆より速く走る事ができた。

お陰で運動会のかけっこでは上の学年の子を抜いて周りを騒然とさせたものだ。


2ヶ月も経つ頃にはクラスメイトは俺に従うようになっていた。

小学校は幼稚園と比べると先生の監視も緩く、子どもだけの時間も多い。

俺がクラスを掌握するまで、そう時間はかからなかった。

幼稚園で既に俺の支配下となっていた子ども数人が、同じクラスにいたというのも都合が良かった。


先生からの覚えも悪くないはずだ。

教師と絡むとしたら授業中くらいだし、その時間は睡魔に抗うので精一杯で、俺はとても地味な生徒に見えた事だろう。

だが俺がクラスの頂点に立っているのは子ども達の会話から察しているようであり、時おり先生からの視線を感じていた。

異端者を見るような目にならない事を祈ろう。


習い事に関しては、体操は幼稚園の卒園を機にやめており、通っているのは空手と英語教室であった。

空手は本格的に道場に入り、週2回の稽古に参加している。

幼稚園では型ばかりの練習であったが、道場では組手の鍛錬も行う。

母さんはかなり心配していたが、正直この体と大人の頭を使えば、同い年の子どもなど相手にもならない。

師範からは期待の新星だともてはやされた。


英語教室は相変わらず綺音と一緒に通っている。

とはいっても幼稚園の頃から既に小学校低学年コースに通っていた為、特に代わり映えしない。

むしろ俺と綺音のレベルは抜きん出ており、2年生からは高学年コースに通う事となった。

こちらは週に1回だ。


また、綺音が英語教室以外に、新たにスイミングにも通うようになった。

俺が空手をしているのを見て、自分も何かスポーツをしたいと思ったらしい。

元々の運動神経が良い為、努力次第でそこそこ上手くなるのではないかと期待している。


姉さんは変わらずピアノを続けており、凛も何か習いたいと言っているが、なかなかこれだというものが見つからないようだ。

まぁまだ小学生になったばかりだ。

興味をそそられるものはこれから現れるだろう。


平日で習い事がない日や休日は、家族と過ごしたり綺音と遊んだりしている。

一応、暇を見てクラスメイトや幼稚園の時の友達とも遊んでいる。

ヒロイン達を大事にするあまり、俺の交友関係が狭まるというのは回避したかった。








「ゆうとくん、どうしたの?」


ボーッと教室を眺めていると、視界を遮るように綺音がピョコッと顔を出した。

可愛らしいツインテールが揺れる。


「綺音ちゃん…おはよ。」


「おはよ。何かへんな目してたけど、だいじょうぶ?」


「変な目……って、どんな目?」


「おじいちゃんみたいな目。」


「え…まじ?」


「まじだよ。」


俺、そんな遠い目してたの?


「……ふふっ」


愕然とする俺を見て、綺音が楽しそうに笑う。


「ねぇ、ゆうとくん。」


彼女はいつからか、"ゆーくん"ではなく"ゆうとくん"と呼ぶようになっていた。


「うん?」


「今年も、たのしくあそべたらいいね!」


「うん…そうだね。」


可愛い幼馴染を見ていると、お爺さんとかいわれたのもどうでも良くなった。

今年も頑張ろう。

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― 新着の感想 ―
[一言] うん、可愛い。 ただもし、寝取られたと思うと……読むの怖いな。
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