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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第2章 初イベント
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98• イベントをやってみた②

わぁぁあああ!!

構えた3人に対して他のプレイヤーが突撃して行く。そしてすぐに戦闘が始まった。

強敵らしいが十数匹の魔物に囲まれてフルボッコにされており、HPがゴリゴリと削られていた。


複数のプレイヤーパーティで攻める事を想定されているのなら、HPはそれなりに高い筈なのに・・・

ありゃ1分持たないな。


「どうする? もう終わりそうだけど・・・」

「とりあえず一撃だけ当ててくる。それで参加したことになるだろうしポイントは貰える筈」

「宜しく」


ドスドスとなまけものが魔法の射程範囲まで走って行く。そして魔法を撃ったであろうタイミングで視界上に『強敵は撤退しました』とテロップが点滅し始める。

結局彼らがどの様な戦闘をするかどうかも分からないまま目の前から消えてしまった。そしてまた鐘の音が鳴り響いて冒険者と兵士が湧いて出てくる。


「結局彼らの強さが分からなかったわね・・・」

「HPは多めだったくらいしか分からないな」


ユウさんと苦笑いしてると、ドスドスと音を立てて戻ってくる。


「はぁ・・こういうのはイージーだとダメだな。ノーマルで確認するか・・・」

「ポイントどうだった?」

「なんとか一撃入ったし入ってると思う。イベント中はポイント確認できないし分からんけどな」

「まぁ入ってなくてもいいけどな。僕ら戦ってないし」

「そうね」

「さてと・・・、次どうする?」


なまけものは新たに湧き出した冒険者達を見ながら聞いてくる。冒険者達はさっき同様他のプレイヤー達が我先にと倒しているので、相変わらず門の前で出ては消えのループを繰り返している。出現場所で待機していたプレイヤー達も来始めたので、最初より混戦となっており冒険者のバーが物凄い速さで減っていく。


「どうするって・・・。もうすぐ次の強敵出てくるんじゃ・・・・ほら」

「もうかよ・・・」


言ってる最中にさっき見た強敵出現のテロップが表示される。冒険者のバーは残り3分の1、恐らく3分の1減るたびに強敵が出てくるのだろう。となると最後にもう一回出てくるな。


「どうする?」

「あの減るスピードだと今から行っても魔法撃つ前に終わるし無理」


なまけものに振ると、首を振っていくだけ無駄となまけものは言う。聞いてる間に強敵撤退のテロップが表示され、鐘の音がまた鳴り始める。


「あ、マーキングだけでもしとけばよかった」

「どうせやっても難易度変われば意味ないし、良いんじゃないかしら?」

「だよな。俺としては戦闘の仕方を見たかったんだが・・・」


それは僕も見たかったが、ああも袋叩きされるといかに強敵とはいえ何もできないらしく、ただ叩かれただけで攻撃すら満足にできていない様だった。

だから分かったのは兵隊の様な防具で剣2人、盾1人、弓1人の4人パーティだった事くらいだ。


「・・・もうこれ俺らやる必要ないな・・・」

「そうね・・・。あの中入ってくのはちょっと・・・」

「うーん。もう取り合いだよな」


何か戦闘の声というより、「取るな!」とか「よこせ!」とかの怒声が聞こえる。よくは見えないが自分の獲物を取られたプレイヤーがキレているらしい。


「あーあー・・、自己中のプレイヤーはウゼェな」

「マジそれ」

「後はもう勝手に倒して貰うか。アイツら全員死んだら動けば良いし」

「だな。休憩すっか」


気付くと周囲に避難してきたであろうプレイヤーが増えてきた。

どうやらみんなもう参加せず終わるのを待つみたいなので、僕らもそうすることにする。もう冒険者のバーが無くなる寸前なのでもう何もしなくても良いだろう。


「と言っても最初の強敵以降何もしてないけどな」

「それ言うな」


そうこうしてるうちに最後の強敵が現れる。何か変なオーラ出てる冒険者1人だがこれも先と変わらず袋叩きの前になす術はない様だ。イージーだから仕方ないが、何か強敵って感じがしない。


「もう終わりだな。あの調子だと直ぐ終わるだろ」

「そうね」

「あれ? そういえばココアは?」

「ん? そういえば居ないな。どこ行ったんだ?」

「知らないわ。ずっと上に居たと思ってたんだけど・・・」


キョロキョロ見渡してもココアの姿がない、さっきまでにそこに居たと思うんだが・・・。

声で呼びかけても反応がないのでチャットで連絡する。返信は直ぐ様返ってきた。


ポンタ   :ココア何処?

ココア   :ここー!!

なまけもの :何処だよ!?

ココア   :門の前ー!


同時にイベントクリアのテロップが入る。少ししてココアが戻ってきた。


「お待たせ!」

「ココア、門の前で何してたの?」

「え、戦ってたんだよ? みんな来ないから1人で頑張ってたんだよ!」

「「「すみません」」」


どうも門の前でずっと戦っていたらしい。

ちょっとむっとした顔で言うココアに僕らは頭を下げた。

次回更新は明後日になります

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