表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第2章 初イベント
89/612

88・PvPしてみた(なまけもの+ココアとたこやきぃ+僕悪いすらいむ)②

『火時雨』と『フレアガスト』のコンボに味を占めたたこやきぃは、それから何度もそれを繰り返す。厄介なコンボで毎度多少のダメージを受けるが、『火時雨』の攻撃範囲から出てしまえばいいので発動と同時に移動しダメージを最小限で抑える。

ダメージを0にできないのは単純に俺のスピードが遅く、攻撃範囲を見てからの回避が間に合わないからだ。かといって発動前に移動してもたこやきぃは撃たなかったり、移動先を予測して撃ってくる。


気付けばHPは残り3割程まで減っており、下手すると次の一撃で死ぬ。

しかしどうすればいいかが浮かばない。

肩車みたいな状態のココアが慌てながら俺の首を左右にブンブン動かす。


「ねぇねぇ! このままだと死んじゃうよ!?」

「止めろ頭外れるだろが!」


とはいえココアの焦りも分かる。度重なるガードでココアの魔力もだいぶ減っているし、全部反射されたが俺も定期的に牽制で『ブラックエッジ』を撃っているので魔力は少ない。これ以上撃つと『エクスキューション』が撃てなくなる。『エクスキューション』無しでも何とか出来るかもしれないが、すらいむの魔法反射が邪魔だ。


「くそっ! 撃つしかねぇか・・・。『エクスキューション』」


ココアを落ち着かせ、相手に向けて指を向ける。指先から赤いレーザーがすらいむへと届きカウントが始まる。時間は・・・27秒か、微妙だが思っていたよりは短い。恐らく相手の進化階層が低いからだろう。


「新技、悪すら!」

「『硬化』、からの『ミラーガード』」


毎度先に『硬化』をするのは恐らく受けるダメージを減らすためだと思う。これは想像だが、『ミラーガード』では魔法を反射出来るけどダメージが入るのだろう。


魔力が満タンだったら、反射させ続けてるだけで勝てるのかもしれない。


「? 来うへんやん」

「俺の画面上ではなまけの頭上で何かカウントダウンしてる」

「そうなん? ウチには見えんわ」


『エクスキューション』に構えたたこやきぃは何も飛んでこないことに首を傾げる。それに対しターゲットのすらいむには『エクスキューション』のカウントダウンが見えているらしい。

見えてないと何されたか分からないし回避しようもないので当然だが、聞こえてくる内容ではカウントは俺の頭上でされているらしい。こればかりはやられた側から聞かないと分からないので知れてよかった。


「それにカウントダウンって・・・ヤバいんちゃうん? ほら赤いレーザーも当たっとるし」

「そう思うなら移動してくれないか? 掴まれてるし動けん」

「あっ、すまん。そやな」


言われたたこやきぃは上昇し始めレーザーから逃れようとする。だが俺は手首を動かしてすらいむへとレーザーを当て続ける。


「なまけ! あいつら逃げるよ!!」

「大丈夫だって。後・・・5、4、3、2、1・・0!」

「えっ? ・・・あれ?」


0と言った瞬間、たこやきぃに掴まれているすらいむがきらきらと光となって消える。消えて違和感が出たのだろう、たこやきぃが自分の脚を見て困惑する。


「悪すら何処いったん?」

「すらいむなら死んだぞ、一撃必殺で葬ってやったから」


ちょうどいいタイミングなのでドヤ顔で言っておく。

丁度いいタイミングか分からないがユウもこっちに向かって来るのが見えた。右腕取れてるけどあのロボットには勝ったらしい。


「これで3対1だな。どうするんだ?」


とはいえ『エクスキューション』でもう魔力がないし、撃てても『ブラックエッジ』1発程度なので俺は既に戦力外なのだが・・・。

まぁココアとユウがいれば勝てるだろう。


「じゃあ逃げさせてもらうわ。ほなな~」

「待てや!」


そう言ったたこやきぃは自分の限界高度まで上昇し、そのままオアシスの方向に向かって飛んでいく。

慌てて残り1発の『ブラックエッジ』を撃ったが、既に射程範囲外まで逃げられていた。今から追っても間に合わないし諦めるしかない。


「くそっ! 逃げられた・・・」


「どうする?」とは聞いたもののあのまま戦闘継続すると思っていた。まさかあれ程あっさり逃げるとは・・・。というかあの短時間で攻撃範囲外に逃げれるとかちょっとずるくね?

やっぱ、飛べるってずるいわ。


悔しがる俺にユウが声をかける。


「いいんじゃない? あのままやっても危なかったし」

「いや3対1だぞ、勝てただろ!」

「でも私利腕の右腕取れたし攻撃出来ないわよ?」

「あたしもあと『アクアエッジ』1発程度しか撃てないよ?」

「え?」


合流したユウと今だに乗っかっているココアが暴露する。

え、何? じゃあほぼ戦えないって事?


「「うん」」


頷く2人。

それを見た俺はたこやきぃに逃げてくれてよかったと考えを改めた。

次回更新は明後日になります

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ