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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第2章 初イベント
80/612

79・開発部の榊

~火曜日昼~


「ふわ〜・・ぁ、はぁ」


大きな欠伸を左手で抑える。ふぅ・・この方針書読んどけとかきついぞ、字だけで何ページあんだよ。昨日から読んでるのに一向に頭に入らん。


「これがゲームの内容だと読む気になるのにな・・・」

「ならそう思って読め!」

「げぇ!? 足立さん!」


声に首だけ後ろを向いて見ると、指導員の足立さんが仁王立ちで立っている。良い人なのは分かるが、ちょっと仕事人過ぎるんだよな。もうちょっと気楽に仕事させて欲しい。

あとちょっと暑苦しい。


あ~あ、同期の安田のように指導員が女性なら良かったのに・・・


「すげぇ嫌そうな顔してんな・・・。そんなにそれ読むの嫌か?」

「嫌っす!!」

「バカヤロウ!」


足立さんが持っていた資料でしばき、同時に周りから笑い声が聞こえた。見るとチームのみんながこっちを見て笑っている。


「ははは、正直すぎんだろ!」

「分かる。分かるぞ!」

「気にすんな。俺も嫌だ」

「・・・お前らこれ書いたの俺だと分かってて言ってるだろ」

「あれ? そうだっけ」

「はぁ・・・もう良い。ほら榊、せめてこの部分だけでも理解しとけ。昼からその辺の検討始めて貰うからな」


とぼけるチーム員にため息をついた足立さんはもう一回俺の頭をしばいて自席に戻っていく。

俺は一息ついて言われた所を見始める。


「えーっと・・・」

「お前の仕事は電動化に合わせて、エンジンをモーターに変える搭載検討だ」

「それ今回の開発のメインじゃないすか 俺にやらせていいんすか?」

「さぁ? まぁ足立さんがサポートするし大丈夫だろ」


いいのかそれで・・・。

まぁやらせて貰えるのは嬉しいしやるだけやってみよう。


「で、ゲームって何してんの?」


昼休みになり、チームの人と昼飯を食べる。

竹の所に行こうと思ってたが、おごってくれると言ってくれたのでやめた。

食堂に行く際、アイツも先輩っぽい人と一緒だったからちょうど良かったけど。


「MWRですけど」

「あ、俺もやってる」

「俺も。まだ山エリアを彷徨ってるけど」

「早いな! 俺まだ森エリアでターザンしてるわ」

「意味分からん」

「いや、蔓使って上から冒険者奇襲してるんだけど、安定して倒せるしさ・・・」


2人は昼飯そっちのけでMWRの話で盛り上がる。俺はそれを聞きつつラーメンが伸びないようにさっさと食べる。ちなみに山エリアまで進めているのが酒井さんで、ターザンしてるのは三上さんだ。


「で、榊は今どこよ?」

「丘エリア辺り・・。といってももうあそこの冒険者は簡単に勝てるんでそろそろ荒野エリアに移動する予定っす」

「早いな! ちょっと俺のレベル上げ手伝えよ」

「俺パーティ組んでるんで無理っす」

「じゃあそこに入れて」

「定員オーバーっすね」

「だそうだ、諦めろ」

「じゃあお前の所で良いわ」

「定員オーバーだ。諦めろ」


「マジかよ!」と言って凹む三上さん。聞くとソロらしく、レベル上げに苦戦しているらしい。

出来ればパーティでやりたいそうだが、どうもどこの誰か分からない人と組むのは嫌らしい。


「誰か居ないのか? この会社でもやってる奴多いだろ」

「仲良い奴はみんなパーティが埋まってるんだよな・・・」

「じゃあ社内掲示板とかで呼びかけてみたらどうっすか?」

「社内掲示板か・・・。あれ社内ガチ勢がやるやつだろ? 俺みたいな雑魚が募集したところで無理だろ」

「それは無いと思いますけど・・・」


進化階層1の人たちも居るしな。


「榊もそこで募集したのか?」

「いや俺は同期で組んでます。コミュニケーション実習でMWRを題材にしたのでその延長で」

「マジかよ!?」

「チャレンジャーだな。で。どうだった?」

「社長が物凄い褒めてました」

「「マジかよ!?」」


2人が驚いたところで、昼休憩終了時間が近付く。

俺達は職場に戻るため食堂を後にした。


「あ、三上さん。いつもは無理ですけど空いてる時ならパーティいいっすよ」

「俺も良いぞ。後でID教えてくれたら空いた時に連絡するぞ」

「おお! マジでか!?」


残り時間で3人でIDを交換し合あった。


次回更新も明後日になります

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