7・再合流してみた②
名前:ポンタ(竹)
種族:サーペント
レベル:1
特殊スキル:毒牙
名前:なまけもの(榊)
種族:スケルトン
レベル:1
特殊スキル:投骨
名前:ココア(柊)
種族:レイブン
レベル:1
特殊スキル:羽矢
名前:ユウ(柳)
種族:ゴブリン
レベル:1
特殊スキル:物拾い
「初期種族が多いとはいえ、よく被らなかったな」
「確かにな」
バランスがいいかは分からないけど、種族が偏ると良くない。打ち合わせしていないけど、みんなばらけて良かった。
「ユウは何でゴブリンにしたんだ? ゴブリンって人気ないだろ」
「何でって・・・。1番人間に近かったから。これだと操作しやすいと思って」
「ええ~! ユウちゃん魔物だよ? 魔物なんだよ!? 普通人から離れない?」
「待てココア。どれを選ぶかはその人の自由だ、決めつけは良くない。それにゴブリンだって進化したらどうなるか分からないぞ?」
「でも~・・・」
「それにゴブリンって当たりかもしれない。選ぶ人が少ないから対策うたれて無いだろうし、戦闘しやすいと思う」
「確かにな。こんだけプレイヤー居るのに、ゴブリンはユウだけだし」
周囲にはかなりのプレイヤーが彷徨いている。割合で行くと犬や、猫種が2割程。蛇種と鳥種が1割ずつ、死霊種は0.5割位か。後は植物種や人形種などが足して1.5割程居て、スライム種が4割近くと言った所か。
「いやスライム多くない?」
「そりゃ人気あるからな。某ゲームで有名だし、魔物といえばスライムが出てくるし」
「でもスライムって弱いイメージしか無いわ」
「それも某ゲームのイメージだな。毎度最序盤に出てくるザコモンスターだからそういうイメージがあるだろうが、そうでも無いぞ」
「スライムって流動するから物理攻撃が効きにくいんだ。それに体の形状を変化させて擬態できる場合もあるし、なんでも溶かすこともできる。それに分裂や合体も自在だし何でもありだ」
「何それ?凄く強いじゃん!」
「設定だけならな。このゲームのスライムは知らないけど、進化していけばそんなスライムになれると思ったプレイヤーが選ぶのだろう」
それでも多いけど。
見回せば、どの方角でもプルプルした物体が見える。これだけいたらどんな戦法でもすぐ対策されそう。
恐らくちょっとしたら、レベル上げられずに種族変更するプレイヤーばっかになるだろうな。
「ココアがレイヴン選んだのは、やっぱり飛べるから?」
「うん。植物と迷ったんだけどこっちにした。植物って面白そうだけど飛べる鳥の方が良いかなって・・・。空高くから見えるの凄い!」
「視点高いのいいよね。蛇は体起こさないと視点が凄い低いから周囲が見にくい」
「でもスカートの中とか見れるよな。いいじゃねぇか」
「・・・・・」
「「最低」」
「・・・冗談だよ」
女性2人のなまけものを見る目が冷たい。
この状況では見たとは言えない。中は真っ黒で何も見えなかったけど、覗いたのは事実なので黙っていよう。
「ああ、もう!! ほらもう行こうぜ、な!」
2人の目線に耐えきれなくなったなまけものは声を上げた。
「そうだねー。早く行こっ!」
「分かったわよ」
オアシスでだべってても意味ないもんな。
僕たちはフィールドに向けて移動を始めた。