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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第2章 初イベント
66/612

65・強制進化してみた

「ポンタ!?」

「おおお?」


体が勝手に光り出し形状が変わっていくので、どうやら進化しているようだ。しかし進化をしようと思ってもいないし、進化ボタンも押していない。

進化先は2個程出ていたのだがどっちもいまいちだったからな。


多分、というか絶対あの薬の所為だろうが、まさか副作用が強制進化だとは思わなかった。頼むから今出ている進化先にだけはならないで欲しい。

そう思いつつ見守っていると無事進化が完了した。ユウさん達がまじまじと見て「おお~・・」とか言っている。

何が「おお~・・」なのだろうか、何故か首が回らないし、近くの湖に移動して全身を見よう。ん? 動き辛いな。いつものように這って移動しようとしても全く前に進まない。

体をくねくねしていると、後ろからなまけものが呆れたように言ってきた。


「お前何してるんだ?」

「いや前に行きたいだけなんだが・・・。いつも通りやってるのに進まん」

「足あるじゃん。それ使えよ」

「足?」


そう言われても見えない。首を左右にふるふるしてみるが、可動域がだいぶ減ったのか後ろまで見渡せん。何とかギリギリまで首を曲げ足の先を見ることが出来た。確かに足があるな。


足に意識を集中し、動かしてみると何とか前に進める。のっしのっしと歩き、湖に移った自分の顔を拝見。

そこに映っていたのは・・・


「トカゲじゃん!!」


何故かトカゲになっていた。

体はレッドサーペントとあまり変わりない目立つ赤色のギザギザ鱗で覆われていて太い、蜥蜴になって生えた手足はちょっと短めで、指からは紫色の爪が伸びている。体長は大きく子供なら軽々載せれそうなほどだ。


とりあえず、種族とステータスをチェック。


名前:ポンタ(竹)

種族:レッド・ヴェノムリザード(4)

レベル:20

特殊スキル:猛毒牙 溶解液 毒肌 毒斬


レッド・ヴェノムリザード:過度の毒の摂取により毒を持つようになった蜥蜴。真っ赤な体色のそれは、他に比べて毒が強く、特に牙と爪の毒は強力で、赤い鱗のトゲの部分には毒がある。更に鱗は硬く力も強いため近接戦闘で戦闘は危険な為、戦う場合は遠距離からの魔法攻撃が有効。


「うーん・・・どうなんだろう」


種族階層が上がっているので全体的に強くなったと思うのだが、何かどっしりした感じで前よりスピードが遅そう。説明に書いてあるから攻撃力と防御力は高くなってるのは確実だろうけどね。


スキルは・・・


「なぁ、ちょっといいか?」

「ん?」


進化後のチェックと今後どうするかを考えているとみんなが寄ってきた。


「何で急に進化したんだ?」

「薬で進化先でも出たの?」

「あ、ごめん」


急な進化で薬のことなんて完全に忘れてた。蛇のまま進化してたら忘れなかったかもしれないけど、蜥蜴への変化は予想外だったからな。

放ったらかしにしてたことを謝り訳を話す。


「いや、強制進化したんだ。進化先にも表示されてない進化先にさ」

「そうなの!?」


元々出てた進化先は両方とも蛇のままだった。今回のレッド・ヴェノムリザードは絶対出ていない。


「強制進化?」

「ああ、何にもしてないのの勝手に進化した。進化先も分からなかったし焦ったわ」

「それであの変な動きか」

「アレは忘れてくれ」

「録画した!」

「ココアナイス!」


消して下さい。あ、その前に僕にも一回見せて。

・・・これ、手足使わない匍匐前進みたいだな。


「いや、ミミズだろ」

「せめて芋虫で頼むわ」


真上から見ていたココア目線の動画には足を一切使わず同じところでクネクネするだけの馬鹿が映っていた。

あ、もう見れたから削除してもいいよ。


「嫌~。後でSNSにアップす」

「それはマジでやめろ!」


ごめん、ほんとやめて下さい。


「ねぇ、そろそろ薬について教えてくれないかしら?」


馬鹿やってる僕たちに、ユウさんが呆れ顔でため息を吐いた。

次回は明後日更新の予定です

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