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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第2章 初イベント
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64・服用してみた

戦闘場所が第2オアシスに近い場所だったので、直ぐ復活して戻る。戻った時には既にドラッグは光となって消えていて、薬の瓶を持ったユウさん達がジト目で迎えてくれる。


ううっ・・視線が痛い。


「すいませんでした」

「「「よし」」」


別に僕が居なくても大したことなかったようなのでお咎め無しで済んだ。それはそれで悲しくなるが、どうやらあの後、ユウさんの『雷斬』でドラッグが膝をついたので、3人で総攻撃したらしい。

結果、ドラッグは2回ほどハンマーを振り回しただけで退場となったようだ。勿論薬を服用する時間すら無い。


「薬は?」

「これ、ちゃんと剥ぎ取れたわ」


ユウさんは大量の白い錠剤が入った小瓶を見せてくる。どうやら無事『追い剥ぎ』の効果で手に入れられたようだ。

しかし倒して剥ぎ取るって聞くと、あの狩ゲーを想像してしまう。ちっちゃいナイフでどこガリガリしてんの、そこ地面じゃん、とか。何で尻尾付近にいるのにそこから頭蓋が取れるのか、とかよく思ったものだ。


っと、話が脱線した。取れたのなら次にする事は1つだよな。


「もう飲んだの?」

「これから。誰が最初に飲むか決めてる最中なのだけど・・・」


ユウさんがそこで口籠る。そして僕から目を逸らした。

ん、なんか嫌な予感がするぞ? 


ココアも目を逸らすので、なまけものを見る。なまけものは小さくため息を吐いて、答えてくれた。


「いやな、ほらみんな最初は嫌だからさ、多数決で誰にするかを決めようってことになったんだ」

「はぁ」

「でもさ、目の前にいる奴言うのはちょっとアレだろ? 言ったらちょっと印象悪くなるしさ」

「そだな・・」

「となると、自ずとそこに居ない人に票が集まるわけだ」

「つまり僕が最初に飲めと」

「YES!」


だろうな!

多数決と聞こえた時点で察したよ! なぁ、居ない人に票入れるのはおかしいだろ。そこはジャンケンじゃないのか?


「あたし手がないし」

「・・・そうだな」


ならジャンケンはダメか。


「他の案も出たんだぞ。例えば死んだ奴に罰ゲームとして飲んでもらうとかさ」

「それ、俺名指ししてるのと同じだよな?」

「ああ、だから多数決にしたんだよ。意味なかったけどな」

「ポンタ。無理そうならなら私が飲むわよ? 元々は私の希望で始めた事だし」


ユウさんはそう言うが、その薬を教えたのは僕だ、ここは潔く服用してやろうじゃないか。どうせただのドーピング剤だし、服用したところで大した事無いだろう。

ドラッグと同じような効果が出るか、何も出ないか、変な副作用を起こすかの三つしかない。確率でいくと3分の2は実質問題ないし、副作用の最悪死ぬだけだろ? 経験値はさっき減って少ないので今なら死んでもペナルティは大したことない。


「じゃあ試すから、ちょっとだけ口の中に入れて欲しい」

「分かったわ。ほら、あーん・・・」


上を向いて口を開ける。ユウさんは瓶の蓋を開けて、僕の上で瓶の口を傾けて振る。あれ、これって親以外からの初あーんじゃないのか? 初あーんが錠剤とか悲しすぎる。


ふとそんな事思っている間も、ユウさんはジャラジャラと錠剤が音を立てながらもう落ちるという所まで寄って行き・・・・


「あ」


ジャラララ。

ユウさんが最後の一振りをした際、力加減が狂ったのか一気に瓶の半分近くが流れ出た。そしてそれが全てが口に入る。びっくりした僕はそれを全部飲み込んでしまった。


皆がその状況をただ眺め、少し間の沈黙が流れる。最初にはっとしたユウさんが慌てて僕の口を開けた。


「ごめん! 失敗した。早く出して!」

ひや、ほうのひこんた(いや、もう飲み込んだ)


喉の方まで転がってきたしさ。

てかユウさんってたまに雑くなるよな。最初手に出してから入れてくれれば・・・


「何か違和感あるか?」

「どれくらいパワーアップしたの!?」

「今のところは無いな。力が増えた感じもないし」

「「なんだよ~・・・」」


慌てているユウさんと違い、効果が出てないことに不満そうな2人。ゲームだからこの反応の方が正しいんだけど凄い薄情に見える。こっちは罰ゲームで効果不明の薬飲まされてるん、うっ!?


何故か急に体が光り出した。

次回更新は明後日になります

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