62・次の進化を考えてみた
いつも誤字脱字報告ありがとうございます。
冒険者からの奇襲を警戒しつつ経験値を稼ぐ。他のプレイヤー同士でのPvPはちらほら見かけるが、最初の1人以降僕らに攻撃してくるプレイヤーは居ない。チラチラ見られてはいるのだが、4人パーティだからか、見た目変なのが居るからか、何もせず離れて行く。離れて行く度に、ユウさんがしょんぼりしていた。
「やっぱり4人パーティは狙われにくいか・・・」
「お前が目立ちすぎるせいだろ。変わった魔物多くなってきたけど、お前以上に目立つ奴はまだ居ないしな」
なまけものが周りを見渡しながら話す。確かにこの丘エリアに入ってから、周りの魔物の種類が増えた。今までは多少変な魔物が居たけれど、大半が何度か見たことある魔物で、普通にプレイして出てきた進化先に進化しました的な魔物が多い。中にはココアやなまけものと同じ種類の魔物も居たが、僕やユウさんと同じ魔物はまだ見ていない。
「木の実食べたり花食べたりして進化できることは、ネットに出回ってるからな。ただ食べる量が多いからやる奴少ないみたいだけどさ」
「他にはどんな事書いてある?」
せっかくなので他のプレイヤーがどういうことをしているか知っておきたい。きっと僕には想像できない事してるに違いないからな。そろそろ次の進化に向けて何かして行かないと。
「ん? そうだな・・・。よくあるところで冒険者の攻撃を避け続ける、受け続けるってのがあるな。前者はスピード、後者は防御力が高い魔物に進化できるし、それを狙った人たちは結構やってるぞ。あとちょっとおかしな方向に進化したいのなら食べれば良い。俺達もそうだったけど、一つの物を食べ続ければ何かにはなれる」
「僕達は木の実とかだったけどさ、その人ら何食べてるの?」
「木、石、土、のような自然物や、武器など。あ、人食った奴もいるな。不味かったらしいが」
「うわぁ・・・」
「食べれる物を食えよ・・・」
「さすがに人間食った奴はネットでもドン引きされてたぞ」
「でも魔物って考えたら人間食べるのも変な話じゃないわよね。種類によっては土とか食べるのもいるでしょ?」
確かにゲーム内の魔物ってそんな感じだけど・・・。流石に真似する気にはならないなぁ。自然物はなんとか食べれても人間は無理。その場合の進化先は気になるけど。
「後は我慢系だな」
「我慢系?」
「適応値上げるためにわざとダメージを受けることだ。例としたら毒沼に入り続けるとか、火の中に入るとかさ」
「ああ、それか」
漫画とかだと、○○耐性を取るためによくやってるよな。そういえばまだ試してなかったわ。
毒だと自分で出来るんだけど、毒はもう『猛毒牙』と『溶解液』があるから当分要らない。そろそろ他の属性が欲しいところだ。
すぐ手に入りそうなのは水属性と、土属性。あとは・・・
「ポンタ、ねぇポンタってば」
「え? ああ、ごめん。どうかした?」
軽く考えていたつもりだったが、どうやら考え込んでいたようで僕を呼ぶユウさんの声が聞こえていなかった。慌てて聞き返すと、ユウさんが心配そうな顔で覗いてくる。
「そっちこそどうかしたの? 体調悪いとか」
「ああ、いや、それは無いから大丈夫。ちょっと次の進化どうしようか考えてた」
「次?」
「うん。そろそろ属性欲しいかなぁって」
個人的には攻撃力の高い火属性か、速さ重視の風属性が狙い目だが、そもそもこのゲームの全属性が把握しきれていない。
「属性かぁ・・・私はまだいいかな。その前に力とかスピードが欲しいところね」
ユウさんはまだ力不足だと思ってるらしい。もう十分だと思うけど・・・。そう言うと、首を振って「ダメなの・・・」とユウさんは言う。
「ロイゼン戦でも力や速さで負けてたし、ここでもちょっと相手のレベルが高くなるだけで押し負けるから。ねぇ? 何かすぐパワーアップする方法知らない?」
「そんなのあるわけないだろ・・・。あったらみんなやってるぞ」
なまけものが無理だろと首を振る。確かにそんなものがあれば誰だってやるだろう。
ただ一時的になら・・・
「できるか知らないけど、一時的になら強くなれる物なら知ってるぞ。それ使い続けたらパワーとスピード上がるんじゃないかな」
「本当!?」
多分ね。僕らは無理だけど、ユウさんなら使えるかも知れない。
次回更新は明後日になります。
以下現在のステータス
名前:ポンタ(竹)
種族:レッドサーペント(3)
レベル:20
特殊スキル:猛毒牙 溶解液 毒肌
名前:ユウ(柳)
種族:ゴブリンナイト(3)
レベル:20
特殊スキル:追い剥ぎ 装着 剣技(雷斬、紋切)
名前:なまけもの(榊)
種族:スケルトンウィザード(3)
レベル:19
特殊スキル:硬質 ファイアボール ブラックエッジ
名前:ココア(柊)
種族:ヒールロビン(2)
レベル:19
特殊スキル:羽矢+ ヒーリス