61・PvPをしてみた②
「なんだよ。結局1人で倒したのか」
「意外と何とかなったわ。まぐれだけどな」
終わって、進化先などを確認してるとなまけもの達が寄ってくる。なまけものとユウさんは全回復したようで、ココアが僕の回復をし始めてくれた。結構な経験値でレベルが上がったぽいなまけものは上機嫌だが、ユウさんは逆に不満そうだ。
「もうちょっと我慢してくれたら私も戦えたのに・・・」
「ごめん・・・」
「・・・いや謝らなくていいと思うぞ」
ユウさんはPvPがしたかったようだ。ずっと参加したかったらしいが、回復を優先して我慢していたらしい。このまま不機嫌なのはめんどくさいので、次の機会があった場合、ユウさんに優先すると約束して機嫌を直してもらう。
「にしてもよく気付いたな」
「戦闘中にチラッと見えてさ。ずっとそこに居るから狙ってんじゃないかと思ったんだ」
一度でも認識すると、一定範囲内であればレーダーに映る。すぐどっか行くかと思ってたんだけど一向に動かないし、もしかしたらと思って様子見していた。休憩も、もし戦闘中に乱入してきた場合に対応する為にあえてしていた。
「・・・いやそれは嘘だろ」
「マジだって!」
「だって戦闘中は不可侵フィールドになるから、救援とかしないと他のプレイヤーは入れないぞ?」
「・・・・そうだったっけ?」
なまけものたちが無言で頷く。そう言われればそんなフィールドあったような気もするな。今まで襲われること無かったし気にしなかったわ。
「まぁポンタが体力温存してたおかげで何とかなったし良しとしとくか」
「そういうことにしといて」
そういうことにしてもらった。
僕のHPも回復したので、探索の続きを再開する。さっきのように待ち伏せがある可能性を考え、歩くのは見晴らしの良い場所にした。高い所にくると、今までのエリアと同じように周りでは人間と魔物がバトルしているのが見える。
「お、あそこPvPしてるな」
「でももう終わりそうだぞ」
1対4で、1人側がかなり不利そう・・・あ、やられたな。4人組が相手の魔物を倒して何処かへ歩いて行った。そして・・・近くを歩いている他の魔物に攻撃を仕掛けた。そして終わるやいなや次の魔物を狙う。
「あいつらPvPメインの奴らだな」
「そうらしいな」
「しかも襲ってるのソロとか2人組じゃない。ずるくないの?」
「ルール上は禁止されてないからなぁ・・・」
卑怯な気はするけどね。レベルシンクによって人数差分も合わせて、多めにレベルが下がってるから何とも言えない。
ただ人数が多い方が有利なのは変わらないし、レベルは下がっても種族階層は変わらないため、高階層の魔物を使用していたら、基礎ステータスが違う。その差でレベルが下がっても優劣が変わらない可能性もある。
「運営に提案だけでもしておくか・・・」
「そうだな。しかしああいう奴らが居るから、お前らも1人で探索するときは気を付けたほうがいいぞ」
「あたしは1人で来ないからへーき」
「私は・・・まぁ気を付けるわ」
そう言いつつもユウさんはにやりと笑っていた。
あの顔、絶対1人で行く気だ。
次回更新は明後日の予定です