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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第5章 大規模アップデート
606/612

606.獅子王さんと戦ってみた⑨

「ヤバい•••、殺される、、、」


そう言いながらも、こちらの攻撃は苦もなく避ける獅子王さん。なんか馬鹿にされているような気分だ。

しかし本人にとってはかなりヤバい状態のようで、獅子のくせに小動物みたいに怯えている。

それほどの威圧が外野・・・MAMAさんからでているようだ。こっちは寒気以外全く感じないけど。


「あなた〜!」

「ああっ! ヤベェ! あの言い方はヤベェ!」


遠くから獅子王さんを呼ぶ声に、獅子王さんはさらにブルりと震える。昨日聞いたのと同じような声にしか聞こえないが、獅子王さんには違うように聞こえているのだろう。


仕方ないので助け舟を出してあげる。攻撃もセットで。


「はぁはぁ・・・。ふぅ、今負けを認めてくれたら、その原因に説得しますけど・・・、どうしますか?」

「馬鹿野郎! 言葉と行動が違うぞっ!」

「手を止める必要はないですからね。・・・こっちは限界なんですよ」


恐らく現状の状態はユウさんが言っていた奥の手のはず。何をするかは聞かせてもらえなかったが、獅子王さんを勝負に集中できなくすると言っていた。その時は集中できなくするだけで、それほど効果はないと思っていたが・・・、現に今戦ってて分かる。めちゃくちゃ攻めやすい。


理由は獅子王さんの動きが無駄だらけだからだ。その上攻撃してくる様子もないので避けることを考える必要もない。この調子なら『破砕突き』を当てるチャンスも大いにある。


しかしかといって深く考えず出すのは良くない。この状態ですら獅子王さんはこちらの攻撃を躱してくるのだ、適当に出しても当たるわけない。

大体MAMAさんに弁明、よそ見しながら攻撃躱してくるとか何で攻撃を察知して躱してるんだ?


「直感、体の動きから出る空気の流れ、ポンタ君のさっきまでの動きからの推測でだ」

「!? キモっ!!」

「キモ!!?」


最早変態だといっていいかも知れない。そんなことできるならハンデでこの人目隠ししてもらった方がよかったかもしれないな。


「未来のお義父さんに向かってキモいとはなんだ!?」

「褒め言葉ですよ!」

「何!? ならいい」


いいんかい!? いい加減だーー


「うっ・・・!?」


ちょっと大きい声を出したのがまずかったかもしれない。足がもつれその場でフラついてしまう。コケないように耐えたが、獅子王さんはその間に距離をとってしまう。


「はぁはぁ・・・」


流石に呼吸もキツくなってきた。ゲームでこれだからリアルの方はもっとヤバいかもしれない。

ふらつく僕に獅子王さんは落ち着いた様子で、


「流石に限界だろ。再戦は受け付けてやるから今日はもう寝ろ」

「そんなの・・・聞けるわけないでしょ・・・」


再戦時は恐らくここまで獅子王さんにダメージを与えることは絶対できない。

とはいえ獅子王さんの言う通り、限界なのは確かだった。集中力も完全に切れてしまっている。


「なら一発勝負で決めるか? 俺を一撃で倒す切り札あるんだろ? 先に当たった方が勝ちの一撃勝負だ」

「・・・獅子王さんにメリットありますか? それ」

「俺自体も早くこの勝負を終わらせたい。母さんに弁明しなきゃだし、これ以上ポンタ君を付き合わさせるとユウからも怒られそうだ。・・・つまりだな、家庭内的死の危険があるんだよ!」


目が語っていた。「頼むから受けてくれ!!」と。

だから受けることにした。僕にとってはメリットしかなかったし。

次回更新は3日後の予定です

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