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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第5章 大規模アップデート
589/612

589. なまけものと練習試合してみた④

? あれ? なまけものどこ行った?


死んだとは出てない。しかし周辺を見渡してもどこにも居ない。レーダーではすぐそばに居るのだが・・・


「下だ!」

「あ! ごめんごめ・・・」


足元から声がして慌てて退く。しかしそこで言葉を失った。

退いた足元に居た・・・いやあったのはなまけものの物と思われるツノ。それが地面から生えている。そしてなまけもの本人は居ない。そして地面から聞こえてくるなまけものの声。


察した。


「ふふふっ、ふふっ・・・」

「おい、笑ってるだろお前・・・」

「いやいや、違う違う」

「嘘つくんじゃねぇ! 見えてんだよこっちはよ、地面の中からよぉ!!」

「あはははは!!」


バレてるのなら普通に笑う。笑うな? 無理!

だってなまけもの地面のテクスチャ貫通してツノだけになってるんだよ? 無理!


「クソッタレ! 今すぐぶん殴りてぇ・・・」

「あはは、それ出れないの?」

「無理だ。手足は動かせるが空を切ってる感じがして全く移動できねぇ。完全に動かせる空間からズレたな」

「バグか」

「だろうな。これ仕様だったら問題だろ」


確かに。

実際穴を掘って入り込むことで同様のツノだけ生えている状態にはできるが、こっちは穴を掘って広げた動かせる空間の中なので動けるし、抜け出せもする。しかし今回は無理矢理下方向に押し出されたなまけものが、テクスチャの隙間から動かせる空間外に出てしまったようで、自力での行動はできないようだ。昔のゲームだと入口を特定され、簡単に入り込めてショートカットやら隠れ部屋やら好き放題できたのが懐かしい。


「どうする?」

「いや助けろよ。引っこ抜け。それか倒せ」

「写真撮るから待って」

「撮るなよ! いや待て、俺も撮る!」


2人して戦闘そっちのけでパシャパシャ取りまくる。そして互いの写真を見せ合いっこして楽しんだ。しかしその時間はすぐに終わりを告げる。


「・・・そんな所で何してるの?」

「してるの~?」

「というか何? 決闘中? 誰と?」


振り向くとユウさんとココアが立っている。ユウさんは僕が決闘中に気付くも誰と戦っているか分からないようだ。どうやらなまけものには気付いていないらしい。


「・・・最悪だ。何でこのタイミングでログインしてくるんだ・・・。こんな状態見られたら絶対遊ばれる・・・」

「? 今なまけの声がした~」

「あ・・・」


馬鹿だ。喋らなければバレないものを。なまけものの声に反応したココアが、声のした方、なまけものが埋まっているところを見る。そしてすぐにツノに気づいた。


「なまけのツノ!!」

「何でわかんだよ! ぱっと見でわかるようなツノじゃねぇだろ!」

「埋まってる!!」

「見りゃわかんだろ! 言っておくけど撮るなよ!」

「えー・・・、それほど面白くないから撮りたくない」

「撮れよ! 面白いだろ撮れよ!」


どっちだよ・・・。


「だってツノしか見えないじゃん。何が面白いの?」

「・・・おい待て、マジトーンでそんなこと言うな」


あそこにいるとさっきまではしゃいでいたのがアホらしくなり悲しくなりそうだったので。

そろそろ決闘のタイムアップも近いので、終われば決闘フィールドから退出でなまけものものも元通りになるだろう。


「決闘終わったら特訓の続きね」

「はい・・・」


嫌だけど昨日の続きして忘れよう。

次回更新は3日後の予定です

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