56・次のオアシスに向かって出発してみた
やる事は変わりませんが、一区切りついたので今回から新章になります
「あ、赤紫蘇買うの忘れた」
「何だよ急に・・・」
第2オアシスに向けて湖畔エリアを横断中、ふと思い出す。今日の買い物で買おうと思ってたのにすっかり忘れてた。くそぅ・・明日の朝一でやろうと思ってたのに。
「ごめんごめん。いや梅干し用の赤紫蘇を買おうと思ってたんだけど・・・特売に目が行き過ぎて買うの忘れた」
「主夫か! 何で梅干しなんて作るんだよ」
「だって買うより安いし。それに梅干しあれば朝のおかず無しでもいける」
「へぇ、いいわね梅干し」
給料だってまだ少ないんだから、節約していかないといけないしな。
梅干しの話をしてるとユウさん達が話に入ってきた。
「ポンタ、私は酸っぱいの駄目だからね。甘いのがいい」
「私はどちらかというと酸味が強い方がいいわね」
そう言って2人は僕の体をぽんぽんっと叩いてくる。
「言っとくけど2人の分は無いよ!」
「「ええ~・・・」」
「俺の分はあるよな?」
「無いよ!!」
全く・・・何で自分で作ろうとしない。調べれば誰にだって出来るだろうに。まぁどうせめんどくさいとかそんな所だろうな。
強請られても困るので、さっさと話題を変えよう。
「と、ところでさか・・なまけに聞きたいことあるんだけどさ、今朝次のイベント来るとか言ってたよな?」
「ああ、あれか」
「イベント内容って分かった?」
朝の買い物途中になまけものから次のイベントについて聞いた。MWR発売後直ぐに第1回イベントがあったので、今回は第2回目らしい。内容はなまけものもまだよく知らなかったので、帰宅後に調べて貰っていた。
「イベント?」
「運営が定期的に行ってくれる祭りみたいなもんかな。イベントごとにルールが決められてて、いつもと違った感じのプレイができる」
「ランキングもあって、場合によっては報酬も出るぞ」
「マジで?」
「え~! 報酬って何?」
「スキルとか経験値。あと何かあったけど忘れた」
「え、スキル? ねぇねぇ、何のスキル!?」
「さあな。ネットには載ってるけどあえて見てない」
「スキルは良いわね。種族上取れないスキルとか取れると戦術が広がるわ」
スキルが貰えると聞いて、ユウさんのテンションも上がってきた。
なまけものによると、報酬はポイント交換制らしい。ポイントはイベント後も持ち越せるらしく、一度のイベントでポイントを貯めきる必要はない。助かるけど・・・そう言う場合って交換ポイントが凄い量なんだよなぁ。
「必要ポイントはイベント開始してからのお楽しみという事で。で、イベント内容なんだけど、今回は総力戦だってさ」
「総力戦?」
「やる事はいつもと変わらないよ。場所と時間が固定されるだけ。イベント時間内に倒せば倒すほどポイントが貰えるし、強い奴程ポイントの量が高い」
「つまり強い奴を多く倒せば良いのね」
「そう言う事。1回のイベント時間は1時間だからもたもたしてるとすぐ終わるぞ」
イベントは0~1時、3~4時、6~7時と2時間置きに行われるらしい。結構な頻度で行われてるが、仕事の都合上出来るのが18~19時、21~22時だけかな。
仕方ないけど、ほぼ参加出来ないな。
「いつから?」
「来週金曜の昼から」
「じゃあ今のうちに少しでもレベル上げしといたほうが良いわね」
「おうよ。けどオアシス着いてからな。また着かずに終わるのは嫌だしな」
なまけものの意見に賛成し、僕達は半ば駆け足で次のオアシスに向かった。