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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第5章 大規模アップデート
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559. ユウさんと戦ってみた②

水魔法が視界を塞ぐ。共闘状態の僕はなまけものの攻撃は受けないので、視界不良と体がずぶぬれになる以外はなんの影響もない。

だがユウさんは違う。確実にヒットしたのは見えたので、いい具合にダメージが入ったはずだ。しかし相手はユウさん。このまま終わるとは思えない。僕は回避をやめ、ユウさんが居た場所へと『ミストブレス』で追撃した。


「やったか?」


当たったかどうかは分からない。だが水魔法が消えた後、ユウさんはまだ生きていた。ダメージは微量だ。


「嘘ぉ!?」

「効いてない・・・だと!?」

「ふふっ、悪いけど『霊化』で全ての攻撃を無効化させてもらったわ!」


言われて気付く。ユウさんの体は少し透けていた。どうやら『霊化』によって攻撃ダメージを全て無効化されたようだ。入っている微量のダメージは、使用時のスリップダメージだったみたいだ。


「しかもこれ浮けるのね。HPの減る速度がちょっと速いけどかなり使い勝手がいいわ」

「そりゃよかったね」


そういいつつ『猛毒霧』をユウさん中心に展開する。しかし状態異常の蓄積も効かないようで、ユウさんに焦りの表情は出ない。だがそれでいい。


「『霊化』を使えばHP勝手に減るもんね」

「確かにそうだけど、この範囲から出ればいいだけでしょ? ・・・あれ?」


ユウさんが怪訝な顔をした。やっぱり予想通りだ。


「やっぱり『霊化』中は他のスキル使えないみたいだね。さてどうする?」

「『霊化』切ってここから出るだけ・・・よ!」


ユウさんが突っ込んできた。てっきり距離を取るものだと思って油断していた僕は、真っ二つにされる。しかし『霧化』のおかげでダメージはない。


「やっぱりそのスキル反則じゃない?」

「今のユウさんには言われたくない」


瞬時に『霧化』を解除して尻尾で薙ぎ払うも、ユウさんは『飛翔脚』を使って地上へと降りる。『飛翔脚』は連続で使用するたびにSGが増えるから一旦降りてリセットしたいようだ。

だがそのまま着地する気は無いようだ。降りる先にはなまけものが居る。


「うわっ!? こっち来た!」

「何で2人共寄るだけで嫌がるの、よっ!」


降り降ろされる呪炎の剣。なまけものが避けたため、地面にぶつかりヒビを入れる。当たったらひとたまりもないな・・・。


「真っ二つは嫌だからな。『アクア』!」

「一回くらい半分になってみたくないの!?」

「ないわ!」


ユウさんとなまけものはそのまま地上でやり合う。一定の距離を取りたいなまけものは、下がったり、『縮地』を使って逃げ回りつつ攻撃を行う。しかしユウさんにはすべて当たらない。全て避けつつ、なまけものとの距離を詰める。

上から見ると、2人共すごい動けるなぁと感心する。


「一発くらいあたってみたくないのか!?」

「ダメージ受けるだけでしょ? 無意味ね」

「ダメージ検証も必要だろ!? というかポンタ何してんだ!? ヘルプ、ヘルプミー!!」


のんびり眺めていると、なまけものは壁へと追いやられ、とうとう逃げきれなくなった。しかしそれでも『晶壁』を駆使してユウさんの攻撃を避けている。とはいえ速度でついていけておらず、『晶壁』がどんどん弾かれていく。


流石に限界か。


「ここまでして防ぐのは流石だけど、いい加減・・・死になさい!!」

「やべぇ目がマジだ! ポンターー!」

「はいはい」


なまけものが斬られる前に『ミスティックフィールド』を発生させる。これは幻覚を見せるだけでダメージは無い。


「!? なまけが消えた? あれ? どうなってるの?」

「くくく、こっちだぞユウ」

「どっちよ!? そっち!?」

「うおぅ!? 危ないだろ! 刃物を適当に振り回すんじゃない!」


ユウさんは完全に幻覚をみて、目の前のなまけものを捉えられなくなったらしい。やみくもに剣を振り回している。

なまけものはさっさとユウさんから距離を取ればいいものを、ユウさんが幻覚で見えてないとおちょくり、振り回す剣にかすり傷を負わせられている。


「煩いわね。ちょっとくらいいいでーー、!?」

「は? くそ! これでも避けんのかよ!」

しかしそれでも飛んでくる魔法はきっちりギリギリで躱しているところに恐怖を感じる。何を察知して避けているのだろう。


「ポンタ!」

「了解!」

「ポンタ? あ、そうか!」


なまけものが同時攻撃を指示してくる。ユウさんには悪いが、これで終わらせてもらおう。流石に2方向は避けられまい!

次回更新は3日後の予定です。

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