544.白炎ヨセフと戦ってみた⑦
「「きたぁ!!」」
思ってたようにはいかなかったが、結果的にヨセフを転ばすことに成功する。しかも今回はユウさん側に倒れなかった為、助けも不要だ。
「え? 何!? またやったの!?」
『貴様・・・! またしても・・・。それでも剣士か!!?』
「何で私に言いうのよ! 後ろ見なさいよ!!」
作戦を聞いていなかったユウさんは混乱するも、まるで自分が悪いかのように言われたことに怒ったのか、すぐさま弾かれた剣を回収し倒れたヨセフに斬りかかろうとする。しかし今はまずい、慌ててユウさんを止めた。
「ちょっとストップ!! 引いて引いて」
「何でよっ!? 今チャンスでしょ!?」
「巻き添え食らうから!!」
半ば強引にユウさんを下がらせる。普段ならそのまま攻撃してもらうところだが、フレンドリーファイアでダメージを受ける今はまずい。なんとかヨセフから離した瞬間、ヨセフに極大の雷が落ちた。
『ぐおおおおおっ!!?』
極大の雷はヨセフを地面に縫い付けるように10秒ほど続いた。消えた後には背中の中心が黒ずんだヨセフが倒れこんでいる。
「やったか!?」
「なぜフラグを立てるんだ!?」
というかフラグ以前にHPまだ半分残っている。なまけものが再度魔法を唱えようとするが、その前にヨセフが剣を杖代わりに起き上がった。足元がふらついているのは『サンダー』で麻痺状態にでもなったか?
『く・・・、この程度ではやられんぞ! 黄金のクズ共を根絶やしにするまではなぁ!!』
しかし大声とともに一瞬でふらつきは消える。それどころか白いオーラを纏い強化されたように見える。
ヨセフは剣を天に掲げ、叫んだ。
『白き黄泉の炎よ、我が命燃やし解き放て、『霊魂招来』!』
すると剣に纏っていた白炎が一層大きくなり、複数に分散して周囲に飛び散る。飛び散った白炎はそこで大きく広がりあの紋章を地面に描く。
嫌な予感しかしない。というかスキル名からもう大体予測がつく。
「終わったな。お疲れさん」
なまけものも同様なのか諦めモードだ。予測できていないユウさんとココアだけが慌てている。
せめて大したことない奴が出てくるのを祈ろう。
「・・・あ、僕出てきた」
「俺もいるな・・・」
紋章の上に現れたのは偽物の僕となまけもの、そしてそれ以外の見たことないような魔物が合計10体。見たことない魔物も恐らく僕ら同様コピーしたされたプレイヤーキャラなのだろう。
「お前の話だと大したことないんだよな? ワンチャンいけるか?」
「多ぶーー」
僕となまけものの間を偽なまけものの『サンダー』が通り抜ける。かすっただけでいいダメージを貰った。
「ん無理!」
「そうか・・・」
なまけものは首を振る僕を見てフッと笑った。
「ならヤケクソじゃああ!!」
「うおおおお!」
突進する僕らに偽物たちの攻撃が降り注いだ。
次回更新は3日後の予定です