533.ヨセフと戦闘してみた⑦
『ギェエエエエエエエエ!!』
「「うわぁ!!?」」
衝撃波を伴った奇声にユウさん共々吹き飛ばされる。どうやら触れてはいけないものだったようでヨセフは何やら痛がっている。潰した箇所を押さえて動きを止めた。その上、HPが10分の1ほど減っている。大した量ではないが、カスダメ以下のダメージしか与えられてなかった現状ではかなり大きなダメージだ。
まぁこっちも衝撃波で結構ダメージ貰ったけど。
「効いた!? ポンタ何したの?」
「えと・・・」
なまけもの :おいポンタ! 何やらかした!?
ユウさんに応えようとした時、同じことをなまけものにも言われる。面倒なのでチャットで返すことにした。
ポンタ :イボ? みたいなのあったからちょっと小突いた。破裂した
「うわぁ・・・」
ユウさんが僕のチャット見て引いてる。なまけものたちは笑ってて何やら楽しそうだ。
言っておくけども実際のイボにはしないよ? あれ潰すとよくないらしいからね。
なまけもの :俺・・・今更だがお前が超恐ろしいやつだと知ったわ。
ココア :ポンタ、恐ろしい子!
ポンタ :イボ潰しただけなのに何故バレた!? かくなる上は・・・
ユウ :バカ言ってないでヨセフに集中!
痛がっていたヨセフはすでに立ち上がり、動き出そうとしている。確かに集中しなければならない。ダメージもちょっと与えたとはいえ、まだ残り8割近く残ってる。
なまけもの :まぁまぁ、ダメージ与える場所分かったんだしいいだろ? ポンタ、その調子で全部潰していってくれ
ポンタ :いやそっちも手伝ってよ。アレ、近くで見ないとよく分からないんだから
なまけもの :この俺に近距離で探し回れと? 悪いがココアが重くて動けないんだわ。ははは、すまんな
遠くでなまけものが凍った。まぁ妥当な処置だろう。しかし[ユウさんの方が重いぞ]と返さなかくてよかった。こっちは確実に殺られる、今ならダメージも受けるし文字通りにね。
『ギェエエエ』
「「あ」」
吹き飛ばされたせいでヨセフとの距離が僕よりも近くなったのだろう。ヨセフはなまけものたちの方へと走り出す。さっきまでの大股な歩行ではない。明確に走り出した。
まだそれほど驚異になるほどの速さじゃないだけマシだが動きがさっきよりも速くなったことには変わりない。おおよそギミックについて理解してきたしそろそろこちらも真面目にやろう。
「さて、本気出しますか」
「そうなの? ほぼほぼ本気だったわよね?」
「・・・それは言わないで。あとおおよそヨセフのギミックについて予想できたから聞いてくれる?」
「いいわよ。でもなまけ凍ったままよ?」
目の前では凍ったなまけものがヨセフに殴られている。しかし『凍死』中は無敵なのでなまけものにダメージはないし動かせないという特性上無敵の盾と化している。
『凍死』って・・・相手を拘束するスキルだと思ってたのだが、まさか最強の盾を作るスキルだったとは・・・。
「なまけガードが・・・完成してる」
「言っちゃ悪いのかもだけど使えそうよね。凍らせる者の姿や大きさ次第ではすごいガード出来そう」
「・・・なんでこっち見るの?」
「ポンタって・・・色々変身出来るのよね?」
「冗談だよね?」
「冗談よ。ほら、あのままだとなまけ一生凍ったままだから助けるわよ」
「・・・うい」
絶対冗談ではない気がするが、気にしないことにした。
次回更新は3日後の予定です。