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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第5章 大規模アップデート
527/612

524.やられてみた

「おっ? 遅かったな」

「遅いわよ。何してたの?」

「Zzz・・・」


飛ばされた金マシマシの装飾の扉の前になぜかいるなまけものたちが僕を見つけるなりそう言った。あまりにも遅かったのか、ココアに至っては寝てる。


「・・・・・。なんでいるのさ?」

「そりゃ俺らだぞ。サクッとクリアしてここに来たんだよ」


なまけものは、あの後僕と同じように転移して同じルートを通ったと言う。どうやら僕が悩んでいる間に通り過ぎたようだ。しかし僕は見ていないので、転移先は違ったのだろうか?


「・・・トラップが作動しなかったのよ。だから普通に歩いてここに来れたわ」

「・・・・・、ああ・・・そういうことね」

「おい! ばらすんじゃねぇよ」


違った。彼らはどうやら罠にかからず来れたらしい。確かに後ろを確認すると、例の石の扉が遠くに見えるのでユウさんの言う通りなのだろう。

ただ、一人転移させられ、歩き回った身としては納得いかない。


「詳しく聞こうか・・・」

「『縮地』で突っ切ったらいけた」


そんな単純に突破できるものなのか? 余計に納得できないぞ。


「もっと詳しく聞こうか!」

「煙タイプのトラップだったでしょ? だから煙が出る前に突っ切ったら引っかからないんじゃないか?って・・・なまけがポンタの転移直後に」

「ほう・・・。転移直後にねぇ・・・」

「たまたま! ポンタが煙にまみれてるの見てそう思っただけだ!」

「で、やったらいけたと?」

「おう!」


輝いた笑顔を返してきたので思わず殴り飛ばしてしまった。

僕は悪くない、あのうれしそうな笑顔が悪いのだ。そして・・・これで確定だ。


「・・・てぇな! 何で殴るんだよ!」

「気分を害したから? いや、ギルティを感じたから? ・・・いや」


僕はレーダーと、なまけものの頭の上に見えるHPバーを見て言い放つ。


「偽物だと分かったから、かな」

「ん? え? なんで!?」


みんなそこに居るのに、レーダー上ではみんなはいない。その上殴ったなまけもののHPは減っていた。パーティメンバーのダメージは0になる筈なのに、だ。

このことから目の前に居るのは味方の姿をした敵だと判断できる。目の前のなまけものが減っている自身のHPに驚いているのは恐らく演技だろう。そんな演技したところで、減ったという事実が敵だという証だ。


「3対1か・・・。まぁ何とかなるだろ」


話をしてくる分、さっき見たコピーよりも強いのだろう。だが弱体化しているのであれば勝機はある。それに今相手は何故か驚いて隙だらけだ。このチャンス、使わない手はない!


とりあえず攻撃しやすそうななまけものに向けて『ミストブレス』放ち・・・、

無事オアシスへと飛ばされた。


・・・

・・・・

・・・・・


「・・・あっけなかったな・・・」

「しょせんポンタはあたし達の中で最弱・・・」

「それもういいから。というかあいつ何で襲ってきたんだ? HPもなんでか減るしさ」

「偽物だったんじゃない?」

「いや、レーダー上は合ってたぞ。まぁ偽物の可能性はあるけど・・・、じゃあ本物のあいつはどこ行ったんだ?」


ようやく来たと思ったら急に殴って来るし、攻撃してくるしで焦ったものの、能力はポンタなのでそれほど苦戦せずに討伐。あいつのスキルは厄介ではあるもののユウが近接戦闘に持ち込めばあっけなくやられた。『霧化』や『霧散』はあるのである程度のインファイトはできるものの、近接攻撃スキルに乏しいポンタは距離を縮めたら想定以上に脆い。特にこの場所は狭く、高く飛ぶこともできないので、ポンタにとってはかなり不利だったろう。まぁそうでなくてもポンタがユウに勝てるヴィジョンなんて見えないけどな。

因みにポンタは現在レーダーに映っていない。倒したと同時に消えてしまった。


「私的には多分本物だった気がするのよね・・・」

「何でだ?」

「行動がどうもコンピューター的じゃなかったって言うか・・・、近付いても私へ攻撃するの躊躇ってた感じがしたのよね。なんか避けてるみたいな感じがしたわ」

「お前が怖いから、その意思をコピーしたあの敵も怖くて避けたんじゃね?」

「それはない! 多分それはない。・・・ないわよね?」

「俺に聞くな、ポンタに聞け。しかしCPU的じゃない動きと言えば確かに心当たりなるな・・・」


あの偽ポンタは、何故か俺ばかり狙ってきた。スキルの距離を活かせる立ち位置に俺が居たのもあるが、それはココアも同様。しかし攻撃標準は確実に俺だった。普通は攻撃してきた者へやり返すと思うのだが、ユウが攻撃している間もユウへは反撃せず、不自然なほどこちらばかりに攻撃してきてた。


「なまけへのストレスたまってるんじゃないの?」

「それはない! そ・れ・は・ない!!!」

「自信あるわね・・・。なんか腹立つ」

「ポンタに聞いてみよ~」


慌ててココアを止めようと思ったが、すでに送信された後だった。そしてその慌てぶりを見たユウから、「何よ、自信ないんじゃないの」と笑われた。

次回更新は3日後の予定です。

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