523. 罠に嵌ってみた②
念のためと前回撮った岩の扉にあった紋章のスクショを確認し、ココアが取っていたスクショと比較。一見違いはなさそうに見えるが、大まかの形が同じなだけで細部は少し違う。ぱっと見だと紋章の一番外の円が真円になっているのと、湖でのスタート位置を表す矢印が扉の紋章では無くなっている。その代わり中央から下に向かって伸びている線に同じような矢印があった。そして紋章の中心より少し上の所、線の終わりが小さな丸になっている。
「下か・・・? 後ろかな?」
前回と同じならこの矢印がスタート位置を表す筈。ただ前回みたいな目印も見当たらない為それが何処か分からない。とりあえず現在の位置で下、地面を調べてみるも特に何もな・・・、いやあるな、左足の1歩先辺りにトラップ作動用と思われる変な盛り上がりが・・・。恐らく踏んだらまた煙が出るのだろう。前回状態異常になっていたから、この辺のトラップを踏むと状態異常になるのかもしれない。
そしてその盛り上がりがちょこちょこあるように見える。
「・・・・・。よし、後ろだな」
前に進んではダメだ。状態異常のフルコースをもらうことになる。
僕は回れ右をして地面を見てみる。こっちにも盛り上がりがあった。
「・・・・・」
龍形態になって飛んだ。すべてが罠ではないと思うが、調べながら進むようなちまちましたのは面倒すぎる。
接近で発動されても困るので低空飛行の状態で一気に扉まで行ってみた。勢いあまって扉にぶつかったが罠が発動する様子はないようだ。そして扉周辺も特に変わった様子はない。
扉の紋章を再度確認。紋章では下に向かう線の途中で右方向に線が伸びている。恐らくそこに次の道があるのだろうと予測するも、その方を見ても壁しかない。
「隠し、かな?」
適当に壁をぺたぺた触りながら進むも何も起こらない。殴っても同様、僕の手が痛かっただけだった。
なまけもの :出られたか?
ポンタ :出られないぃ・・・
なまけもの :そうか、がんばれよ
ポンタ :助けてくれるんじゃないんかい!!
なまけもの :どうせ右と左間違えてるとかそんなんだろう?
[違うわ!]と返そうとしてふと考える。紋章の方向と自信が向いている向きを考えると・・・、確かに逆だった。僕は後ろを向いているので紋章の右は今の僕にとって左だった。なまけものの言う通りで
悲しくなる。
ポンタ :そんなんでした・・・
なまけもの :だろうな。早く来いよ
なんか僕が遅れてるみたいな言い方されたが、そういえばなまけものたちは今どうしているのだろうか? 普通に待っていると思うのだが、それであればもう少しチャットでなぞに対して意見交換してくる筈。それが無いということは何かしているのだろうか?
まぁ後で聞けばいいか。
「あ・・・、あったわ・・・」
気を取り直して反対側を調べてみると、壁に露骨なほど不自然なでっぱりがある。押してみると壁が消えて道が出てきた。暗くてよく見えないが、罠はないような気がする。一気に行って問題なさそうなので、道なりに進み、同様の隠し道や、ダミーの分岐を乗り越えゴールと思われる場所までたどり着いた。
「転移陣・・・」
ゴールと思われる突き当りには、小さな転移の紋章がポツンとある。ここまで来て偽物ではないだろうと躊躇いなく乗った。するとすぐさま転移が始まり・・・、荘厳な大きな扉の前へと飛ばされた。
次回更新は3日後の予定です。