517.一緒に洞窟へと行ってみた③
なまけもの :んじゃサクッと倒してくれい。くれぐれもこっちに寄こすなよ
ポンタ :ふっふっふ。僕の手の中にはムクマリの実があるのだよ。この意味、分かるよね?
なまけもの :貴様! 正気か!? そんなことをすれば・・・
ポンタ :奴らは全てなまけへと行く。だがそれがどうした? たったそれだけだろう?
なまけもの :馬鹿め! こちらには人質が居るんだぜ? ユウがどうなってもいいのか?
ポンタ :知らないのか? 今ムクマリの実を持っていないのはなまけだけなんだぜ?
なまけもの :え? マジで?
ポンタ :マジ
ユウ :あるわよ
ココア :持ってる~
マジです。
先にもしもの時、隠れられるように渡しておいたのだ。なまけものにはタイミングが無く渡せなかったが、結果面白くなりそうなので良しとしよう。
まぁあっちに行く前にまとめて倒すけども。
「何してるんですか?」
「あ、すみません。ちょっとチャットで連絡を」
馬鹿な話をしてたらちょっと待たせてしまった。2人を少しさがらせ、安全圏を確認する。
後は中央の香炉を狙いつつ、周囲の死霊使いを巻き込むように最大パワーで混乱の『ミストブレス』を放つ。着弾と同時に死霊使いが居た周辺は一気に霧に包まれる。そして中で死霊使い達で殴り合いが始まる。後は放っておけばHPが減った最後の一人だけが残るだろう。
香炉を破壊したことで整列していた髑髏たちも消えていってるし、なまけものたちもすぐに合流できそうだ。
「「おお~」」
「・・・なんか恥ずかしいから見学止めてくれません?」
「いやいや、せっかくなので全部見させてもらいますよ」
「さぁ! 次は何するんですか?」
「もうあと放置するだけだから何もしないですよ」
2人は「「ええ~!?」」と声を上げる。
まぁ他人の戦闘なんて、この殺伐としたゲームではなかなか見られないし分からなくもないけどね。
とはいえ僕の戦闘は見せられたものじゃないので見ないでほしーー
「!? 後ろっ!! 危なーー」
「「!!?」」
2人と突き飛ばして攻撃を受け止める。しかし止められたのは1人分だけ。すぐにもう1人の魔法が当たり壁に叩きつけられた。
「・・・・・、くそっ、消えないんかい・・・」
目の前に僕となまけもののコピーが無言で立っている。どうやらこの2人は同じく召喚された髑髏とは少し勝手が違うらしく、香炉を破壊しただけでは消えないようだ。その上なまけものに向いていた標的設定も消えているようで、再度攻撃するために動き出す。
『『ミストブレス』』
「!? 『ミストブレス』!」
近距離で互いの『ミストブレス』が衝突する。しかし何とか押し勝った。威力・・・いや、恐らくステータスは僕の方が上なのだろう。
名前:死霊王の眷属
種族:タイニーン
名前:死霊王の眷属
種族:バフォメット
一応マーキングしてみるもランクは不明。だがステータス的にそれほど高くはないと思われるので何とか1人で相手できそうだ。受けたなまけもののコピーの魔法もそれほど威力は無いしね。
「ポンタさん!」
「加勢します!」
「いい。それより2人は僕の仲間呼んできてくれますか? 多分入口でのんびりしてそうだから」
「「了解です」」
かしわもちとロバ吉が入口へ向かって走っていく。これでよし。外野もいなくなったしやりやすさUP。
折角の自身との対決なので、気分的にも1人でやりたかった。
「じゃあまずは僕のコピーから倒そーー」
『キェエエエエエ!!』
「ああっ! 忘れてた!」
残り1体となった死霊使いが襲ってきた。
咄嗟にカウンター気味に殴ったら死んでくれた。
次回更新は3日後の予定です