516.一緒に洞窟へと行ってみた②
「ポンタさん、よく道分かりますね」
「すでにマッピングし終わってるからね。迷ったのが原因だけど・・・」
ほぼこの洞窟は踏破率100%に近いくらいマッピングが完了しているといってもいいくらい歩き回った。迷った結果だが、おかげで現在サクサク進めるので助かっている。
「ついでだしゴール方面も行っときますか?」
「行っときましょう!」
「・・・でも、仲間待たせてるのでは?」
「ああ、まぁ大丈夫ですよ。しびれ切らしたら勝手に動くので」
ちょっとくらいの寄り道なら大丈夫だろう。
僕は手をひらひらと振って気にしないでと言いつつ、ゴールの岩の扉があるところへと2人を案内する。しかしふとこれはネタバレをしている気になり、一応2人に確認する。
「ちなみにどこまで教えてといたらいいかな? ネタバレになるからこれ以上は言わない方がいいです?」
「ここ限定であれば、ネタバレ歓迎です!」
「同じく。あんまりこういうところに居たくないのでサクッと終わらせたいですね」
「じゃあ知ってること教えておきますね」
ついでにムクマリの実も渡しておく。予備持っててよかった。親切すぎるかもしれないが、これは遠回りに迷惑をかけたお詫びも兼ねている。
「よく対策方法が分かりますよね。発想力がすごい」
「いやいや、たまたま気分転換に行ったところで見つけるだけですよ」
「でもそれだと運がすごいってことですよね? 流石です」
「どうだろ? よかったらこの洞窟何往復もしないけどねぇ・・・」
2人がなぜかヨイショしてくるので若干戸惑いつつ、僕は説明しながら必要ルートを通って死霊使いの居るところにやってきた。
たどり着くと、ロバ吉が声を上げる。
「あっ、ポンタさん!! 居ましたよ!!」
「・・・・・、居たね」
目の前にはココアが足止めしているため髑髏の行列ができている。そこに少し黒めの僕となまけものの姿があった。やはり眷属化でコピーされていたようだ。コピーされた僕らは髑髏たちと同様に行儀よく並んで列が進むのを待っている。
髑髏と同様に狙いはなまけものなのか、こちらを攻撃してくる様子はない。
「どうします? 倒しますか?」
「放っておいていいんじゃないかな。あっちの死霊使い達の真ん中にある香炉のようなもの潰せば消えるから。ただ死霊使いが襲ってくるから同時に攻撃するのがベストかな」
香炉を壊せば召喚も止まり、出てきていたものは消えていくのは前回確認済みだ。代わりに死霊使い達との戦闘が始まるが、混乱の『ミストブレス』があれば苦戦もしない。
けどせっかくなので、彼ら2人にやってもらうのがいいだろう。経験してもらえるし、戦闘スタイルも見れるしね。
「死霊使い・・・ってあの周りのあれですよね? 強いですか?」
「怖い、うるさい、足速い、程度ですね」
「強いんですか? それ?」
「強いというより、ただただ嫌・・・ですかね。うちのメンバーが関わりたくないって言っていることから察してもらえると助かります」
「・・・そういわれると僕も関わりたくないのですけど?」
「同じく」
2人の顔に[嫌]の文字が浮かび上がる。しまった、変な先入観を与えてしまったようだ。でもホラー余裕の人であれば初見驚きはしても怖くはないだろう。
「まぁ、慣れですよ。・・・因みに、ホラー系いける派ですか?」
「「いけない派ですね」」
「・・・・・」
じゃあ駄目だ。彼らにもトラウマができてしまうな。
やはり一人でやるしかないか・・・
次回更新は3日後の予定です