表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第1章 初VRMMO
51/612

50・4度目、ロイゼンと戦ってみた③

『ふ、お前が先に来よったか』

「げっ! バレた!」

『そのような派手な体で隠れられていると思っておるのか?』


わざわざ遠回りして背後から近づいたのに、後数歩の所でロイゼンがこっちを向く。事前になまけものが、ロイゼンには相手の位置を感知するスキルがあるらしい(ネット情報)と言っていた。マーキングしただけでこっちが捕捉されたり、後ろから狙ってもバレるのはこのスキルのせい・・・らしい。公式発表はないので実際の所は分からないが、初めて会った時のことや、ココアがやられた時を考えると何か持っているのは間違いない。

今回は単純に体色が目立っただけのようだが・・・


「『溶解液』!」

『さっきの溶かす液だな。それに当たるわけにはいかぬな』


ユウさんの『風切』回避後を狙ったが、これもあっさり躱された。せめて剣などでガードしてくれたら武器を溶かすことが出来たのに。さっき無駄に見せたのがよくなかった。


『せっかく近づいてきてくれたのだ。お前から屠ってやろう』


ロイゼンはこっちを向き剣を振るう。てっきり『紋切』を使ってくるかと思ったけど違ったが、あれに比べると躱しやすいので難なく躱す。しかし反撃しようとする前に次の攻撃が来るため攻撃が出来ない。

しかもユウさんが『風切』を撃ち続けているのに、ロイゼンはそちらを見ようともしない。そのくせ全部回避している。

これはCPU専用の[顔の向きに関係なく全部見えてますよ]的なアレか?。


「おっ、とっ、よっ」

『ふむ、躱すのう。だが、これで終わりじゃ!』

「!」


一瞬ロイゼンの右足が少し下がる。これは『紋切』の前兆だ。急いで後方に跳んだ。直後、自分のいた場所の草が切れ、風に舞う。

僕のHPにはダメージは無い。無事躱せたようーー


「!!」


嫌な予感がして慌てて持ち上げていた頭を下げる。

下げた瞬間、頭の上を風が通り抜けた。そしてロイゼンが僕の後ろに移動している。つまりさっきの風はロイゼンが通り抜けた時に生まれた風のようだ。


『見切ったじゃと!?』

「あぶな!」


偶然とはいえ、ロイゼンは避けられると思ってなかったのだろう、こっちを向いて初めて驚いた顔をする。僕はすぐさま頭を起こし、通り抜けて背を向いているロイゼンに『溶解液』をぶっかけた。


『! ぬぅん!』


剣技使用後ですぐ動けなかったロイゼンは、持っていた腰のショートソードを引き抜き、『溶解液』に当てるよう放り投げる。溶解液はショートソードに当たり、溶かすが、ロイゼンには当たらなかった。多少は水滴レベルが降りかかったようだが、服に穴を開けたりする程度で、ダメージはほぼ無い。


「チャンスだったのにな」

『今のは危なかったのう・・・』


ロイゼンは剣を構え直す。と同時にその姿がブレる。


「やば!」


さっきのアレだと瞬時に頭を下げた。が、さっきのように頭の上を風が通り過ぎる事はない。

代わりに声が降ってきた。


『一度躱されたのじゃ。馬鹿正直に同じ攻撃をするわけなかろう?』


目の前のすぐ側にロイゼンが立っていた。どうやらさっきの技を移動のみに使ったらしい。そしてこの距離だとアレが来る。


避けようとした僕を『紋切』が襲った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ