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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第5章 大規模アップデート
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閑話2 出張先

前回の続きです。

補足ですが、この閑話は本編と少し時系列が違う体で書いてます。

「ふむ・・・やはり高いな・・・」


出張1日目が終わり、お土産をどうしようかと物産展を物色する。しかし良さげなものは値段が高く手が出せない。いや、1人2人分ならなんとかいけるが、全員分となると流石に予算オーバーだ。


「いや、そもそも1人1尾がおかしいか・・・」


2人分くらいにしてご飯作って提供するほうが良さげかな? であれば金額抑えられるし調理済みを買ってご飯に乗せるだけですみそうだ。


・・・というかそもそも生1尾を買うほうがおかしいな。先輩前そうしてたから感覚おかしくなってたわ。

とりあえずお金を預かっている先輩は生を1尾で、柳さん達はとりあえずこっちのやつにしておくか・・・。ええと? 柳さん、柊さん、榊分・・・、後家には郵送で・・・。


ブーブー・・・


「ん?」


震えるポケットのスマホ。振動から電話か・・・。しかしなんでいつも手が塞がっているときになぜスマホが鳴るんだろうか? 榊だったら無視してやろう。


「・・・・・」


一旦お土産を置いて画面を見ると[柳さん]の文字。スルーできずに電話に出る。しかし聞こえてきた声は柳さんではなかった。


「もしもーー」

『イエーイ! 竹見てる~?』

「・・・電話だから聞いてる。要件は留守電でどうぞ」


そして電話を切った。すると律儀にも留守電入れてきやがった。聞かずに削除、これでよし。

くそう・・・、榊の奴め、僕がスルーすると見て柳さんの電話を使いやがったな。話の感じと周囲の音から居酒屋で飲んでるのだろうな。で、酔った勢いで遊びがてら電話してきた感じか。電話を貸してる時点で、柳さんも既に出来上がっていると見て良さそうだ。


とりあえず榊のお土産は無しだな!! 浮いた費用で自分の分を足しちゃおう! うん?

すると再度鳴る電話。また柳さん。いや、榊か。


「何かな? 忙しいんだけど?」


迷ったが、1%でも柳さんの場合があるので出る。

だが結果はハズレだった。


『切るなよ! どうせ暇なんだろう?』

「忙しいって言ってるだろ? まぁ暇にもできるけど」


お前らのお土産を選ばなくていいのならな!と心の中で呟く。まぁお土産選んでる時点で忙しくないんだけどね。この後晩御飯食べて温泉入って寝るだけだし。


『そうよ榊君。竹君はあんたと違って忙しいの!』

『仕事だもんねぇ~』

『大丈夫だって! だって竹だし後でなんとでもするだろ?』

『というか今日の分の仕事は終わってるはずだ。報告聞いてるしな。つまりだ、忙しいは嘘だ』


相手側はスピーカーモードなのか、他のメンバーの声も聞こえる。驚いたのは柳さんと先輩が一緒に飲んでいるという点だ。なぜそのような状況なんだ・・・?

しかし先輩がいたことで、あっさり忙しくないことがバレてしまった・・・・。


『ほらみろ! 竹、遊んでねぇで俺らと話そうぜ!』

「・・・まぁいいや。じゃあそうしようか。それで・・・何か用事?」

『竹君、大丈夫なの? 馬鹿なことだから無理に付き合わなくていいわよ』

「大丈夫、大丈夫。みんなのお土産買おうと吟味してただけだけど・・・、榊がしなくていいって言ったし、今回無しね。あ、先輩分も無いのでよろしくお願いします。預かったお金は帰ったら返しますね」


そう言いきると電話の向こうが凍りついた。そして僕そっちのけでギャーギャー騒ぎ出す。

うるさいし時間が掛かりそうなので、電話を切っておいていたお土産を購入。もちろん榊たちの分は省いている。ちょっと違うものを自分ように買ってホテルへと戻る。


道中電話が何度か鳴ったが面倒なのでスルー。というか荷物で両手ふさがってるしね。

ホテルに着いてからかけなおす。


『もしもし。竹君?』

「あー・・・、電話出れなくてごめんね? 両手ふさがってて」

『わざと出なかったのは分かってるわよ。出なくて正解だったけど」


柳さんは席を外して電話に出たのか、先ほどのような騒がしさはない。


「もしかして・・・、まだ揉めてる?」

『大揉め中。まぁ放っておいてもいいから気にしないで。竹君、あのように言ってたけどもちゃんと買ってくるんでしょ?』

「え?」

『え?』


そんな分かってますよと言わんばかりに言われても・・・。


『嘘・・・よね?』

「まぁ柳さんと柊さん分は買っといたよ。榊分はマジでやめたけど」


お金を預かっている先輩分はさすがに買った。あれ? そうなると榊だけ無しになるのか?

それはなんかあれだな・・・。


ハブってるみたいでよくないかと思い始めたが、柳さんは『グッジョブ』となぜかうれしそうだ。


「いいの?」

『今回変な呼び出しした罰だからOKよ!』

「そういえばなんの集まり? 先輩も一緒だったからよく参加したね?」

『聞いてよ! 知らされてなかったのよ! 当日急に参加しろって言われて・・・、来てみれば兄さん居るし』


柳さんは騙されたと憤慨する。騙された・・・であれば、計画は先輩がして榊が段取りをしたという感じかな?

先輩・・・そこまでして柳さんと飲みたかったのか・・・。


『なんかね? 私たちの関係を無理やり進展させようとかなんか考えてたみたい』

「あー・・・、なるほどね・・・。バレた?」

『バレてない。今回もいつも通りふるまって乗り切ったわ!』

「お疲れ様です」


隠す必要ないと思うのだが、先輩が煩いのであえて言わない、バレたら言う方針と決めている。

でもいつも通り行動しているだけでも意外とバレないものだ。


『あ、でも・・・義姉さんにはバレたかも。なんか途中から『ふーん』、『へーぇ』って、言葉からニヤついてる感じしたから』

「あの人おかしいからぶっちゃけ時間の問題だよね。もし気付いていたら先輩辺りがまたアクション起こすと思うよ」

『そうね。まぁその時は竹君の命が危ないけど』

「嫌だなぁ・・・」


そうならないように願いたい。ただいずれその時は来るだろう。

不安しかない先を考えながら、僕は少しばかり柳さんと談笑を楽しんだ。



~後日~


「・・・俺の鰻は?」

「え? 無いけどなんで?」

「うわぁああああ!!」


食堂で榊の絶叫が響いた。

次回から通常に戻ります。

次回更新は3日後の予定です。

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― 新着の感想 ―
[一言] フゥーハハハ!!榊ィ!お前を、罰☆ゲェーイム!!(ドン!!☆)
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