494.閉じ込められてみた③
とりあえず湖の中心に来てみた。ぱっと見変わった様子はない。変なところと言えば所々に岩が湖から出ているといったところか。
「変わったとこは・・・何にもないわね」
「ポンタならこの時どうするよ?」
「周囲にないのなら上か下を探すけど・・・。上はなさそうだし、湖の中に行くにはちょっとね」
ちらっとユウさんを見る。
「? なんで私を見るの?」
「そりゃお前が居るから潜れないし」
「私のせい!?」
「以外に何があるんだよ?」
「まぁまぁ・・・。ただ湖の中の場合、ユウさんのような水に苦手なプレイヤーは詰むから多分違うんだろうね。だからあの出ている岩がおかしいと思う」
「同意見だ。ふむふむ・・・」
「何か分かりそう?」
「・・・全然だな。とりあえず一つに寄ってもらえるか?」
「うい」
なまけものに言われて一つの岩に寄ってみる。見た感じ特に何もなさそうだ。一人ぐらいなら乗れるほどの大きさなので、なまけものは岩に乗って確かめてみるもやはり何も起こらない。
「触れてもダメ。乗ってもダメ。これじゃないのか?」
「ねぇねぇ。岩の個数って何個あるの?」
「えーっと・・・。6個ね」
ココアが何かを見ながら聞いてきて、ユウさんの答えを聞くなり「やっぱり!」と何かを確信したようだ。
「何か分かったのか!?」
「ふふ~ん。教えな~い」
「何でだよっ!?」
あっやば、ココアの面倒が始まった。こういう時は、
「流石ココア。やるじゃない!」
「ココアって閃き力高いよね!」
「二人は分かってる~。えっとねぇ・・・」
ココアがなまけものに聞こえないように教えてくれる。後ろでなまけものが「俺にも教えろ!」と地団駄を踏むが、それ地面じゃなくて僕の背中なんだけど・・・。
ココアは画像を僕らと共有しある模様を見せてくれた。それはあのしゃれこうべの中にあった模様だ。いつ撮ったんだろう・・・ってそれは今いいや。
模様は点と線で作られていて、ココアは点の一つを指すと、
「この点がね6個あるんだけど配置がこの池と似てるんだよね~」
「「ほう・・・」」
言われてみれば確かに。
模様の点は6個あり不規則に配置されているが、それはこの池を真上から見た時、周囲の飛び出した岩とほぼ同じ位置にある。マップと重ねてみるとぴったりだった。
「でね! この一番外側のスプライン線がね。湖の形状だと思うの。あ、今はまだ縮んでる最中だからマップの方が大きいけど」
「「ほう!」」
多少の誤差はあるものの、模様の一番外側の線は池の形状と確かに酷似している。というかもう、そうにしか見えなくなってきた。
「それでね!! この点の周りにある一見無造作な線だけど・・・、ここ見てっ! 矢印に見えない?」
「「見える!」」
「で! この矢印の先の線の端をスタートとして見ていくと・・・。実は内側の線ってを全部なぞれるの!」
「「ほんとだ!!」」
内側のグネグネとした線は適当に書かれているかと思いきや、一カ所に矢印のような模様がある。その矢印をから見ていくと確かに一筆書きで内側の模様が全部書けた。途中何度も交差しているから分かりにくいけど・・・。
しかもご丁寧に終わり部分に二重丸が付いている。ということは・・・
「じゃあ何? この矢印をスタートとして・・・」
「これと同じようにここで動けば・・・」
「先に進めるってことだよ!!」
「「天才か!!?」」
「そうだよ~!」
僕らはハイタッチして喜び合う。と、その時湖からなまけものが顔を出した。
「俺にも教えてくれぇ!」
「・・・なんで落ちてるのよあんた?」
ごめん。暴れるから落とした。
次回更新は3日後の予定です。