表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第5章 大規模アップデート
487/612

486.ココアと勝負してみた②

「あっ! これ飛べないんだっ! え~・・・」


ぽよぽよと跳ね、今までみたいに浮くことができないことに気付くココア。明らかにテンションが下がり気味だ。やはり飛べないの嫌だよな~。

とはいえ戦闘には関係ないので、気にせずココアに『ミストブレス』<麻痺付き>を放つ。

着弾とともに霧が展開されるが、ココアは動かし方が変わったにも関わらず、慣れたようにしっかり避けていく。順応が速い。


「あれ何?」

「『ミストブレス』だな。威力はそこそこだが、いろんな状態異常を追加して撃てるし、着弾地点であんな感じに一定時間状態異常蓄積の霧が残る。サポート技としては優秀だな。因みにさっきの転移は『霧散』でーー」


そしてあっちではなまけものがユウさんに解説し始めている。丁度いいので、このタイミングで全スキル見せておこうかな。


「えーい! 『フリーズブレス』」

「『火炎』」


ココアの全身から冷たそうな冷気が放たれる。それは周囲を凍り付かせながら僕へと飛んでくるが、『火炎』をぶつけるとあっさりと押し勝てた。やはり氷だからか炎に弱いようだ。


「熱ーい!」


そして冷気の塊のようなココアも例外ではなかった。避けたはいいものの、近くを通った『火炎』に嫌な顔をする。どうやら熱いものの近くはだめらしい。

僕はココアが熱で怯んでいる間に『猛毒霧』を浴びせる。


「やだっ。何か汚いの降ってきた!」

「汚くないよ!」


まぁ濃い紫の色がちょっと汚いと言えばそうかもしれないが、それを口から吐いている僕は・・・考えるのやめよう。


「うぇええ~・・・。なんか気持ち悪い・・・」

「毒だからね。あっと『火えーー」

「これでどう?」


ココアが霧の外に逃げようとするので『火炎』で逃げ道を塞ごうとする。しかしココアは手を四方に伸ばし、地面をつかむ。何しているんだろうと考えている間に、体全体をその手の一つの先端に一気に移動させた。まるで伸びたゴムが戻るかのようなその速さに思わずびっくりしてしまう。


「うわ速っ!?」

「ふふん。それだけじゃないよ!」


直後そのココアの姿が何かに変わる。いや、表面に模様が浮き出たといった方がいい。急につるつるの表面に凹凸が現れた。飛んでいるここからじゃよく見えない。しかしココアの攻撃手段を考え、


「!? あっ、ヤバッ!」

「『眼光』~」


直後極太のビームが僕めがけて飛んできた。知っている『眼光』のサイズじゃない。『眼光』は目から攻撃が出る技で目が多いほど有利ではあるが、大概の魔物は2個しかないのでそれほどの威力じゃない。しかし恐らく体の表面の凹凸は全て[目]にとしたことで馬鹿みたいな威力になったと思われる。

これはココアの昔からの手なのですぐに気付いたものの、思ったよりも範囲が広く回避が間に合わなかった。

しかし『眼光』は僕の体を突き抜けて彼方へと飛んでいく。


「ええっ!?」

「何あれ!?」

「あれ、ずるいよなぁ・・・」


ココアだけでなく、見物のユウさんも驚いている。


「ふふふ・・・『霧化』だ」


回復を失った僕の生命線『霧化』SGをある程度残しておけば、咄嗟の攻撃も無効化できる。しかしこの『霧化』は持続する場合ものすごい速さでSGが減っていくので、基本すぐに解除する。今もカッコつけ

ている間に結構減った。

しかしココアにはそれを悟られるとまずい。進化後戦ったプレイヤーはそれを知ってたのか、逃げ場のない攻撃で常時『霧化』を使い続けさせあっさりSG切れに持っていかれた。


今回もココアの『眼光』をずっと撃ち続けられるとすぐ無くなってしまうので、はったりで撃たないようにと誘導する。


「無駄だよ。攻撃は全てノーダメージにできるからね」

「なんだって~」

「まぁSGすぐ切れるけどな。ココア~、撃ち続けたら勝てるぞ~」

「あ、ちょぉ!?」


なまけものめ! 余計なことを!

次回更新は3日後の予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ