480.昼食②
「じゃあ何? その楠?が1人で全部してるのか?」
「流石にちょこちょこフォローしたけど・・・そうだね」
そう、彼女らにはコミュニケーションのカケラすら無かった。その上全員が自分ファーストのため、誰もまとめどころか資料の準備すらやらない。結果楠君が全部やることになり、僕が作ったものをベースに資料を作るハメとなった。
僕も定期的に資料の提供などこっそり手伝ったりし、何とか発表資料は何とか出来た。ただ流石に心労がたまり寝込んでしまった。まぁただの季節外れのインフルエンザらしいけどね。
「インフルか。ん? 発表っていつだ?」
「明日」
「明日!? 出れるのか?」
「無理よ。インフルは熱治って2日は来ちゃ駄目」
「だよな」
うちの会社ルールでインフルエンザはそのような規定になっている。つまり資料は出来たが、楠君は発表日参加できない。つまり発表は他のメンバーがしないといけなくなった。
「ははぁ、なるほどな。でそれを今日竹が3人に伝えた訳だな!」
「正解っ!」
「やったぜ!」
「結果、発表をしないといけなくなったから困って竹君に助けを求めてきたわけね?」
「「「・・・はい・・・」」」
呆れ顔の柳さん。しかしみんなも資料作りに関しては殆ど手伝ってくれなかったよね? 発表もしてくれなかったよね?
みんなを見ると言いたいことが伝わったのか、全員がむっとした。
「戦闘に貢献したわ」
「「資料の写真いっぱい提供した!」」
「ありがとうね」
思ったよりも手伝ってくれてた? まぁ今はどうでもいいか。
それより、
「資料はメールで渡したよね? あとは資料を元に発表するだけなんだから簡単だと思うけど・・・」
「貰いましたけど分かんないですよ! ああいうのって作った人しかストーリー知らないし話せないですよね!?」
「そりゃね。でも楠君がシート毎に何話すか書いてくれてたし分かると思うけど? まぁそれをどう話すかは自分たちで考えないといけないけどね」
「え?」
「そう、だった?」
「・・・そうかも・・・」
楠君が調子悪い中必死に書いていたので「よくやるよね・・・」と言ってたのだが・・・、彼女らは気付いていないようだ。なんかやりたくないから資料開いていないんじゃないかと思ってしまう。
「書いてあるよ。だから頑張ってね」
「で、でも、人前で話すなんて出来ません」
「「そうそう!」」
「・・・じゃあ何なら出来るの?」
3人は黙ってしまった。ちょっとキツく言ってしまったかもしれない。
頭痛くなってきたからかな? インフルが移ってしまったかも。寒気など全くないがそうに違いない。
「じゃあ3人で順番に話したらどうだ? 確かOKだろ? ウチは竹いたから関係なかったが」
「大丈夫よ。私たちの時も他の組がしてたし。竹君のおかげで私達はしなかったけど」
「楽だったねぇ」
駄目だ。余計頭痛くなってきた。
その上彼女らが更に言ってきたらどうしーー
「3人で分けたって・・・」
「・・・でもやるしかないんじゃない?」
「そうだね・・・。私達彼に任せっきりだったし・・・」
おや? 流石にここまでくるとやろうという気になってきたかな?
「・・・まぁ資料の分からないところとかあったら言って。出来る限り教えるから」
「「「ありがとうございます。じゃあ・・・最初から教えてください!」」」
「最初から!?」
流石に断った。
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