474.オアシスに戻ってみた
転送先のオアシスでボーっとする。
なんだかんだ最後はあっさり終わったため消化不良感がある。いろいろ回って対処してからの戦闘だったので、もう少しボスを倒したという達成感が欲しい。
いや・・・・それだと戦闘がさらに面倒になるだけかもしれない・・・。やっぱりあのままでいいや。
「消化不良ねぇ・・・? こっちは知らないうちに終わって凄いモヤモヤしてるんだが?」
オアシスに戻って少ししたらみんなが転送してきた。手を振ると全員からもれなく一撃をもらう。曰く「一人で倒してんじゃねぇ」、らしい。
「私なんてダメージすら与えてない」
「あたしもだけど、あたしはかなり貢献した! 2人と違って!」
「「ああっ!?」」
ふふんと鼻を鳴らすココア。2人に睨みつけられるも気にした様子はない。少しの間言い争いが始まるが、そういうのは終わらせてから来てほしい。
再度ボーっとし始めると、最終的に物理で2人を叩きのめしたユウさんが戻ってくる。
「というか何があったの? 急にチャットきたと思ったら【海難】がすごい速さでダメージ受けて死んじゃうし、ポンタもすぐに死んじゃうし」
「【海難】が海の中で『水化』解いてたのが見えたんだ。だから攻撃できるんじゃないかなって。ついでにあの魔法避けれる確認もしたかったし」
「じゃあ何? 『蜃気楼』は使えないじゃなくて使わなかっただけなの?」
「あ・・・」
そういえば噓ついてユウさんに逃げてもらったんだった。あ、嫌だってユウさん海入れなーー
「まったく・・・飛んで避けるの苦労したのよ」
「すみません・・・」
軽くポコリとされただけで済んだ。
「じゃあよぉ、海の中だと【海難】は攻撃し放題だったのか?」
「いや、あの魔法発動中だけだね。終わった直後に海中用の魔法で攻撃してきたし」
「なるほどな。それであのダメージか」
納得と言わんばかりに頷くなまけもの。
「けど海の中で戦闘する方が楽だったかもね。多分泳げる魔物使っている人はあまり苦戦しないんじゃないかな」
「かもな。まぁ種族で難易度変わるのは最初からだしそうだろう。お前だって飛べるからだいぶ楽な方だろう?」
「だね」
「私なんて相性最悪だから、ポンタいなかったら戦闘にすらならないわね」
「つまり要らないというこーー」
なまけものはオアシス場外へ飛んでいった。
「そんなことないと思うけどね。僕も飛べるとはいえ、『破砕突き』なかったら何もできないし。結局スキル構成次第だと思うよ」
ユウさんだって『飛翔脚』をうまく使えば戦えるだろう。ただそれでも足場がいるので、足場用の船を何隻も用意するなどのもう一工夫が必要そうだが。
「そこまでして戦いたくないわ」
「そこまでしなくても戦いたくないよ~」
「というかもう色々面倒すぎて2度と戦いたくない」
「「それ!」」
全員の気持ちが一つになった。
あ、そういえばインフォメーションで何か来てたな。
「・・・タイニーン?」
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