464.【海難】と戦ってみた⑤
遅くなってすみません・・・
・・・ん?
『ウェイブスピア』を躱している時にふと気付く。ココアが見当たらない。そういえばなまけものと合流した時から居なかった。
「なまけ、ココアは?」
「アイツは裏工作中だ。当てにするな」
「聞いてないんだけど?」
「俺も。今頃何してんだろうな」
どうやらなまけものも知らない・・・ってことはないな。ニヤついてるし。
ココアは・・・今【海難】の下あたり、海の中か。そこでココアの出来そうなことを考えると・・・【海難】を海ごと凍らせる気だろうか? であれば今凍らせている最中だろうけど、もう少し時間が要るかな? 海は凍りにくいし。
「・・・つまり海を凍らせて【海難】を足止めする気ね」
「だからそれまでの時間稼ぎと、ココアの居るポイントに【海難】を居させつつココアに攻撃がいかないようにタゲ取りでいいかな?」
「・・・何で分かんの?」
面白くなさそうななまけもの。サプライズでもしたかったのだろうか?
「チッ、まあそういうことだ。上手いこといけばアイツをタコ殴りできる」
「『水化』されたら?」
「逃げれないように周辺まとめて凍らせてるから、『水化』したら全身凍って終わりさ」
「なるほど・・・」
凍らせてしまえば完全に動きを封じられる。しかしそう上手くいくとは思えない。なまけものもそう思っているのか「まぁ多分無理だがな」と付け足す。
それでも上手くいけばかなり楽になるのは間違いないので試しにやってみたいのだろう。
「で、どれくらいこの『ウェイブスピア』を躱し続ければいいのかしら?」
「それはココア次第だな。まぁあまり長く潜ってはいられないから、もって残り1分ってとこか。あいつが海を凍らせず出てきたら失敗。凍らせて足止めできたら成功だ」
「1分かぁ・・・」
思ったよりも長い。回避だけに専念するのなら問題ないが、適度に攻撃してタゲ取るのが面倒なのだ。まぁなまけものもいるから1人でやるよりは楽っちゃ楽なんーー
「じゃ、あと頼んだ」
「え?」
攻撃がこちらに向くように『スケイルショット』を撃っていると、なまけものがそう言い残して離脱していく。そしてさっきまでいた攻撃地点へと【海難】に気付かれず着地し、見つからないように地面に伏せた。
「・・・1人でタゲ取れと?」
「そういう事みたいね」
グッと親指を立てるなまけものに『スケイルショット』を撃ちたくなるがぐっと堪える。
「・・・ん〜、やっぱりあのドームは時間制限ありそうね」
「時間は?」
「私が測っても8秒ね。タイミングは覚えたから指示するわ」
「了解。だけどココアの作戦待たなくてもいいの?」
「相手のHP減るんだからいいじゃない。上手くいくかわからないけど」
「まぁその時はその時で」
『ウェイブスピア』を回避しつつ、撃てるタイミングでまずは1発目。これはドームを展開する為なのでユウさんの指示はない。とにかく【海難】に当たるように撃てばいいだけだ。
当然渦のドームが展開される。この渦のドームだが、『ウェイブスピア』と同タイミングで展開してくることからやはり魔法ではなさそう。可能であれば欲しいね。ただこれあると回避下手になりそうだが・・・。
「今よっ、ポンタ!」
「おっと、了解」
ビクッとなりつつユウさんの指示で撃つ。撃った一部が『ウェイブスピア』とぶつかり弾かれるが、数発は渦のドームが消えた【海難】へと飛んでいく。
「「きたぁ!」」
2人してガッツポーズ。しかしした直後に、目の前で『スケイルショット』は弾かれた。
【海難】の杖に・・・。
「無理か・・・」
そう上手くはいかないようだ。
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