453.次の予定を決めてみた
結局・・・時間をかけて微妙なスキルを手に入れただけだった。微妙だったことで上がったテンションは下がり、どっと疲れが押し寄せてきた。
「何かだるぅ・・・」
「俺も・・・」
まぁ微妙とはいえ、使えないわけではないし、スキルが多いことに越したことない。ステータスUPが取れたので良しとしておこう。呪いも消えたしね。
呪いを消したことで、右目周りのマークや呪いスキルも消えている。模様はあってもよかったかな?とちょっと思いつつ、
「さて、これからどうする?」
「どうするの何も・・・メシだろ。というかそれが今日の予定だろ? お前が呪いなんて持ってくるからそっち優先しただけで」
「そうだったね・・・」
というかスイカはもういいんだけどね・・・。
「メシって・・・、またスイカ?」
「違う違う。メシはスイカだけじゃないんだぜ?」
「そう言って・・・サボテンとか言わないわよね?」
「!?」
なまけものが顔を背けた、図星か。まぁこの辺で食べれそうなので想像すると普通そうだよね。一瞬想像したけど蠍とか蛇とかじゃなくてよかったわ。
「そんな目で見るんじゃねぇ! しょうがねぇだろ!」
「・・・お肉とかないの?」
「フルーツ!!」
「あ、いいわね。フルーツ」
「フルーツ? スイカなら予備があるぞ」
「それ野菜。ちゃんと食べて処分しといてよ」
「だってよポンタ。ほい」
「何で僕なんだよ・・・」
そう言いつつも食べる。相変わらず苦い。あまり口の中に残しておきたくないので軽く咀嚼して飲み込む。
「ほい、後三つな」
「・・・なまけも一個くらい食べてよ」
「毒はNG、というか苦いの嫌なんだよ」
「僕だって嫌だよ!」
スイカを押し付け合うが、結局僕が食べることになる。何度も苦みを味わうのは嫌だ。3首まとめて一気に行く。何か1つだけ若干色が薄いのもあるけど、ちょっとした差異なだけだろう。効果や味に変わりはなーー
「んっ!?」
いことなかった。明らかに味が違う。普通のスイカの味がして美味い。残り2つの苦みが消えるほど美味・・・ではないけど。
「!? どうしたポンタっ!」
「もしかして喉詰まらせた?」
「この辺叩いたらいいのかなぁ~」
「いや叩かなくていいし、そもそもそこ頭。せめて背中で」
僕が変な声を上げたせいで、周囲が喉にスイカを詰まらせたかのように反応する。首を振って問題ないとジェスチャー。大丈夫と分かるとみんなは「驚かせるなよ・・・」と言わんばかりに安堵のため息を吐いた。
「どうかしたのか?」
「いや・・・何でもない。一気に食べたから変な声出ただけ」
美味しいと分かり、効果を知るとまたスイカ探しが始まってしまう。もう探すの嫌なんだよ・・・、このまま黙ってやり過ごそう。
しかしなまけものは「そうか・・・」と納得したものの、ユウさんが寄ってきて僕の顔をじっと見てきた。
明らかな疑いの目。
「・・・何、かな?」
「噓ついてるでしょ。目が泳いでいるわよ」
「なんでばれるのかなぁ・・・」
「嘘だと!? おい、ポンタ。どういうことだ?」
「何隠してるの~?」
断言された時点で諦める。直後3人に取り囲まれた。
たらたらと冷や汗が流れる僕に代表してユウさんが聞いてくる。
「話してくれる・・・わよね?」
「・・・嫌です。もうスイカはこりごりなので。では」
逃げた。
秒で捕まった。次の予定も決まった。
次回更新は3日後の予定です。