451.スキルとってみた①
「・・・やっと着いた・・・」
「ク、クソゲー・・・だろ」
再び戻ってきた王の間。スイカは予備入れて48程取ってきた。何度も往復を覚悟していたがココアの氷体で作ったソリを使うことで1回で全部持って来れたのは幸いだった。しかし大量のスイカはかなりの重さを有し、移動だけで馬鹿みたいに疲れた。
ただでさえスイカ集めにゲーム内時間で2日近く使って疲労している状態だった。そこに移動疲れが足されて最早限界間近。だいたいあれだけあったのに探すとなると見つからないのはなんでなんだろう。予想以上に動き回る羽目になりかなり大変だった。ついでに言うとスイカを集めている時の周りの奇異の目と同じ質問で精神的にも疲れた。
聞いてくるだけならいいが、集めたものを勝手に食ったやつは許さない。まぁ今頃強制転移したオアシスで勝手に食べたことを反省しているだろうが。
だがその苦労も終わりだ。この祭壇に全て捧げればミッション完了と報酬ゲットといこう。僕となまけものは残った体力を振り絞って祭壇へとスイカを捧げーー
「思ったんだけど・・・、その●って本当にそのスイカなの?」
「「・・・・・」」
が、ユウさんの一言で固まる。
確かに祭壇の窪みとマークでそう判断したが、このスイカが正解という確証はない。さっき呪いを解いて確認すればよかったのだが、解いた瞬間この場所に入れなくなると困ると思い、あえて解かなかった。
「おいポンタ。間違ってたら俺どうしたらいい?」
「ふて寝しよう」
もし違ってたら、当分このゲームをやる気力は無くなるだろう。僕らは間違っていた時の絶望に怯えつつスイカを祭壇に捧げた。
そして・・・、
・・・
・・・・
・・・・・
「試し狩りだあぁああ!!」
「よっしゃぁあああ!」
僕らは絶望に勝った。無事、解呪とステUP、スキルを獲得してピラミッドの外へ出る。呪いが消えたおかげか、スキルを手に入れた高揚でかは分からないが、体が軽い。これなら楽しく狩りが出来そうだ。
「だがその前に確認だな。ポンタ!」
「よっしゃ!」
『カースフィールド』:指定した範囲内に居る者の全てのステータスを5%下げる紋章を展開する。紋章から離れるとステータスは元に戻る。範囲はSGを消費して拡大することができる。
取った『カースフィールド』の効果をまず確認。そして実戦で試すべくなまけものと決闘を始める。喧噪の為、ユウさんとココアも巻き込んだバトルロイヤル方式とした。とはいえ2人にお願いする予定はまだないので、戦闘フィールドの端っこで時間を潰してもらう。
「くらえぇ! 『カースフィールド』!」
「あっ!? ちょっと待てよ!」
よそ見している間になまけものが仕掛けてきた。直後僕の足元にあの呪われた時に着いたマーク、紋章が現れる。無駄に広範囲に展開しているところから、なまけものは最大サイズで使ってきたようだ。その範囲は戦闘フィールドの約4分の1、デバフ範囲としては十分すぎる広さだ。これ4人でフル展開すれば相手は確実にステータス5%減となるので壊れているような気がしてきた。
しかしフル展開はそれ相応のSGが必要なようで、なまけものが驚愕の表情を浮かべる。
「おおおおっ!? すげぇSG持ってかれる・・・」
「どれくらい?」
「俺ので半分くらい」
なまけもののSGは僕らの中でもトップだ。それで半分となると・・・、
「・・・それ僕だと1回使ったらほぼ終わりじゃん」
多少は残るが2度は使えない。ユウさんに至っては使うことすらできないだろう。
次回更新は3日後の予定です