449. ピラミッド内部に入ってみた②
扉を潜ると・・・、祭壇のような場所になっていた。
奥に少し小高くなった場所があり、金色の棺のようなものが見える。いや金色なのは棺だけではない。壁や床、天井含むこの部屋全てが金色だった。正直目に悪い。
「やっぱりあの扉・・・呪われてないと入れないパターンかしら?」
「かなぁ。触れたらマーク光ったし、呪われてないと開かないんじゃないかな」
扉は触れた瞬間一度光り自動的に開いたが、呪いがない場合はどうなったのだろう。開かないのか、相手も違う場所に行くのか・・・。それとも・・・墓荒らしとして呪われるのか・・・。また呪われるのは嫌だし呪い解けても試すのやめとこ。
「それにしても・・・いかにも王様のお墓って感じね・・・。一体何人一緒に安置されているのかしら・・・?」
「何人?」
「ほらあれ、あそこの壁にあるのも棺でしょ?」
「あっ」
ユウさんが指差す先の壁に窪みがあり、そこには大量の棺桶が置かれていた。
「きっと召使いの棺なのでしょうね。でも王の間に召使いと王の遺体を両方安置するって・・どうなの?」
「さぁ? 更に部屋作るの面倒だったからじゃない? というかユウさんさ・・・」
「? 何?」
「今更でごめんだけど、ミイラとか苦手じゃなかったっけ?」
ユウさんはホラーが駄目だった筈。昔墓地エリアで散々怖がってた記憶がある。というかあそこも中途半端でクリアしてないな・・・。行きたくてももう無いけどさ。
しかしユウさんは少し間をあけ、
「だ、大丈夫よ。あそこほどホラーっぽくな、ないし」
「そう? じゃあちょっとあの棺開けてもいい?」
「・・・ちょっと待って。私降りて少し離れてるから」
「・・・やっぱ駄目なんじゃん」
乗っていたユウさんが慌てて降りようとする。見ると若干顔色が悪い。さっきまでそんなことなかったので僕に言われてここがどういう場所か気付いたといったところか。
「1人で大丈夫?」
「・・・そう言われると・・・駄目な気がするわ」
「よお! どうしたユウ?」
「ひゃあぁっ!!?」
「どふぇ!?」
若干震えるユウさん。そんな悪いタイミングで後ろからその肩に手をおく馬鹿野郎が1人。瞬時に反応したユウさんが放った回し蹴りによって入ってきた扉まで飛ばされる。「解せぬ・・・」と言いながらなまけものは倒れる。ユウさんは蹴った後に気付いたらしく「あっ」と声を上げた。
「ごめんっ。急に声かけるから・・・」
「いや、あれはなまけが悪い」
「なんでだよ!? 肩に手を置くのがダメなのか?」
「今はちょっとね・・・」
そう返すと、なまけものは周囲を確認し・・・少し考え頷いた。若干顔がニヤついている。また要らんことでも思いついたのか?
「ははぁ・・・成程。ユウはホラーダメだったな」
「何よ・・・悪い?」
「いんや。んで? やる事は終わったのか?」
「まだ。思った以上になまけもの達が早く追いついて来たからね。結構近くに隠れてたんだね」
「まぁな。けど驚かす準備中に通られるとは思ってなかったけどな」
「・・・・・。へぇ、ちなみに何で驚かすつもりだったのかしら?」
「そりゃ、驚いたユウがどう動くか・・・見た・・・、あっ・・・」
やっちまったと顔で表現するなまけもの。直後どうなったかは言うまでもない。
さて、ユウさんの気が紛れてる今のうちに見ときますかね。
次回更新は3日後の予定です